サムスン電子の第2四半期の営業利益が大幅に減少

(韓国)

ソウル発

2025年08月04日

サムスン電子は7月31日、2025年第2四半期(4~6月)の業績(連結ベース)を発表した。売上高は前年同期比1%増の74兆6,000億ウォン(約8兆2,060億円、1ウォン=約0.11円)、営業利益は同5兆8,000億ウォン減の4兆7,000億ウォンだった(添付資料表1、表2参照)。

サムスン電子は同期の業績について次のように総括した。

  • DX(Device eXperience)部門は、スマートフォンの新モデル効果減少とテレビ市場の競争激化により、前期に比べて、売上高が16%減少し、営業利益も1兆4,000億ウォン減少した。
  • DS(Device Solutions)部門は、サーバー用の高付加価値メモリー製品の販売増とファウンドリーの主要取引先に対する販売拡大により、売上高が前期比11%増となった。しかし、営業利益は、メモリー事業の棚卸資産の評価性引当金などの一時的な費用増加と非メモリー事業の対中制裁の影響による棚卸引当金の発生により、前期比8,000億ウォン減となった。

同社発表の第2四半期の部門別業績は次のとおり。

(1)DX(Device eXperience)部門(家電、IT、モバイルなど)

MX(Mobile eXperience:無線通信機器事業)は、新型モデルが販売された第1四半期に比べ、販売量は減少したものの、フラグシップ・スマートフォンの堅調な販売が持続し、前年同期に比べ売上高と営業利益がともに増加した。VD(Visual Display)は、Neo QLED(量子ドット有機EL)、OLED(有機EL)、超大型テレビなどの戦略製品の販売割合は拡大したものの、グローバル競争激化で業績が悪化した。DA(Digital Appliances)は、季節的な需要期に入ったエアコンの好調な販売と高付加価値AI(人工知能)家電製品の販売拡大で収益性が改善した。

(2)DS(Device Solutions)部門(半導体など)

メモリーは、HBM(高帯域幅メモリー)3Eと高容量DDR5(Double Data Rate 5)製品の販売割合拡大を通じたサーバー用需要に積極対応した。データセンター用SSD(Solid State Drive)販売も増加した。しかし、棚卸資産の評価性引当金などの一時的な費用が反映され、業績が下落した。システムLSI(大規模集積回路)は、主要フラッグシップモデルにGAA(Gate All Around)工程を適用したSoC(System on Chip)を供給し、売上高は堅調に推移したものの、先端製品の開発費用増加で収益性の改善は限定的だった。ファウンドリーは、前期に比べ、大幅な売り上げ増となったが、先端AIチップに対する対中制裁の影響で棚卸引当金が発生した。

(3)SDC(サムスンディスプレー)

スマートフォン新製品の需要とIT・自動車向けの中小型パネルの販売拡大で、前期に比べ、売上高が増加した。大型パネルはゲーミング市場を中心に高性能ディスプレーの販売が拡大した。

(4)ハーマン・インターナショナル

好調なオーディオ販売と車載事業の費用効率化で収益性が改善した。

 

(李海昌)

(韓国)

ビジネス短信 3f5030d4f2d4dbb2