米最大の労働組合連合AFL-CIO、年次演説で現政権を強く批判

(米国)

ニューヨーク発

2025年08月28日

米国最大の労働組合連合である米国労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)のリズ・シュラー会長は8月27日、9月1日のレーバーデーを前に、組合連合の現状に関する年次演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(State of the Unions)を行った。その中で、現政権による移民労働者の解雇や連邦職員の大規模削減、団体交渉権の制限などを強く批判した。

AFL-CIOは、63の国内外の労働組合と総計1,500万人近い組合員で構成される連合体だ。「国際サービス従業員労働組合(SEIU)」や「全米自動車労働組合(UAW)」「米国行政府職員連合(AFGE)」など幅広い業種の組合が加盟しており、2024年の大統領選挙では民主党の支持基盤でもあった。

首都ワシントンの本部で行われた演説で、シュラー氏は「米国の労働者の立場が(政権による)攻撃にさらされている」と述べ、連邦職員や移民労働者などの解雇事例を紹介。生活費の高騰や医療保険の喪失など、労働者が直面する問題を挙げた上で、「この政権は企業の最高経営責任者(CEO)や大富豪の、彼らによる、彼らのための政権となっている」と断じた。

また、連邦職員の団体交渉権の回復を目的とした「米国の労働力保護法案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Protect America’s Workforce Act)」の成立を求め、議会に対し労働権回復への支持を呼びかけた(注)。

シュラー氏は、国民が国のあらゆる制度への信頼を失っている中で、労働組合に対する労働者の支持率は依然高いとし、特に「最も脆弱(ぜいじゃく)な立場にある労働者」については、その75%が労働組合を信頼しているとした。その上で、これまで組合の力で有給休暇や8時間労働制、社会保障制度などを勝ち取ってきた歴史を踏まえ、政党に頼るのではなく、労働者自身が団結することで自らを守ることができる、と強調した。

(注)トランプ大統領は2025年3月27日、国家安全保障関連機関の政府職員を団結権・団体交渉権の適用対象外とする大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発令していた。

(大原典子)

(米国)

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