米国のジェニファー・ロペスのタシケント公演が経済を活性化

(ウズベキスタン)

タシケント発

2025年08月22日

米国の著名ポップスター、ジェニファー・ロペスがワールドツアーの一環として、ウズベキスタンの首都タシケントのミリー・スタジアムで、8月7日に公演を行った。同国初の世界的アーティストによる大規模コンサートとなり、観光産業の活性化を目的とした政府の取り組みとして、ウズベキスタン文化芸術振興基金の支援を受けて開催された。

この公演がもたらした経済効果は大きい。24時間情報チャンネル「ウズベキスタン24」によると、チケット価格は100万~420万スム(約1万2,000〜5万400円、1スム=約0.012円)で販売されたチケット枚数は2万5,000枚、収益は250億~1,050億スムと推定される。同国観光委員会によると、販売チケットのうち67%を外国人が購入したという。ロシアから8,945人、カザフスタンから2,495人、米国や欧州諸国を含めると合計1万5,330人の観光客が国外から来訪した。

公演日前後を含めた8月5~8日の市内のホテル稼働率は前年同期比25.7%増加した。「Gazeta.uz」(8月15日)によると、8月7日の地下鉄チランザル線の乗客数は1万6,500人増加した。同イベントはタシケント市に425億スム以上の税収をもたらし、観光・飲食業界への経済的刺激となった。

ジェニファー・ロペスの公演中の衣装に関連し、民主党「民族復興」の党首のアリシェル・カディロフ氏はSNS上で、ロペスが公演で肌を見せる自由と、イスラムを信仰する女性が身体を覆う権利の両方を世俗国家として尊重すべきとの見解を示した。この投稿には約7万件の共感を示すリアクションが寄せられるなど、同イベントの経済面に限らない影響も見られた。

観光振興などを行う国営企業のナショナルPRセンターは、同イベントを通じて同国への国際的アーティスト誘致や、クリエーティブ経済分野への投資促進につながると期待している。

(竹内アイシェギュル)

(ウズベキスタン)

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