都城広域定住自立圏構想協議会が初の輸出セミナー開催、都城―志布志道路の開通契機に志布志港の活用拡大へ

(日本)

宮崎発

2025年08月21日

宮崎県都城市の都城広域定住自立圏構想外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます協議会は7月22日、「輸出基礎セミナー」を初めて開催した。ジェトロは講師を派遣して協力した。背景には、宮崎自動車道と接続する都城インターチェンジから地域の中核国際港の鹿児島県・志布志港を結ぶ総延長44キロの自動車専用道路が2025年3月に全線開通したことがある。これにより整備前は約70分かかっていた所要時間が約40分になった。

同協議会には、隣接する都城市と同県三股町、鹿児島県の曽於市、志布志市が参加しており、経済や文化などで密接なつながりを持つ3市1町が連携・協力することで、圏域全体の経済活性化を目指している。今回の輸出基礎セミナーは、都城志布志道路と整備が進む志布志港外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを活用し、畜産、水産、野菜など同圏域の地場産品の輸出を促進すべく、同協議会の事務局を務める都城市が主催したものだ。セミナーには、同圏域の食品関連企業や、同市を含む周辺自治体の関係者など約50人が参加した。

セミナーは3部で構成し、第1部ではジェトロ農林水産食品部市場開拓課の新井剛史主幹が「輸出の基礎知識」と題して、輸出の全体像や必要書類、インコタームズ、決済、物流、関税制度など、貿易実務を中心に幅広い内容を解説した。第2部では、志布志港のさらなる活用を目指して、志布志市みなと振興課の横峯博人サブリーダーが同港の概要や貨物取り扱い、定期航路の状況、同港利用の補助金制度などを紹介した。第3部では、個別相談会を実施し、圏域内企業4社からの貿易に関する相談に、ジェトロの担当者が対応した。

これから初めて輸出に取り組もうという参加企業からは、「輸出の全体像を知ることができて良かった」というコメントがあった。既に輸出に取り組んでいる企業から「この圏域で輸出セミナーの継続的な実施などを検討してほしい」という声もあった。

(真崎康平)

(日本)

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