ジェトロ、スペイン・アンダルシア州と協力覚書を締結

(スペイン、日本)

マドリード発

2025年08月08日

ジェトロは7月30日、スペインのアンダルシア州経済振興局(Andalucía TRADE)と、産業とエネルギーなど多様な分野での相互協力を目的とした協力覚書(MOC)を締結した。

この覚書は、企業間の情報交換の促進、輸出や投資を希望する日系企業やアンダルシア企業への支援、産業・エネルギー分野での協力強化を目的としている。

アンダルシア州政府のフアン・マヌエル・モレノ州首相は「私たちはこの覚書締結により、日本機関との連携をさらに深めていく」とコメントし、「ジェトロによる初のスペインの自治州、または地域との覚書の締結で、署名は特に重要な意味を持つ」と指摘した。

モレノ氏はまた、この覚書はアンダルシアが「世界でも最も先進的なグリーン水素の地域の1つとして認められた」と説明した。

同州の経済規模はスペイン国内でも上位に位置し、伝統的な産業に加え、再生可能エネルギーやグリーン水素といった新しい分野でも取り組みを進めている。2026年2月にウエルバで全国グリーン水素会議、3月にはセビリアで欧州水素会議(EHEC)が開催される予定で、こうした水素ビジネス交流の場への日本企業のプレゼンスにも強い期待が寄せられている。

スペインでの報道によると、モレノ州首相と同州政府代表団は、8月1日に2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で開催された「アンダルシアの日」記念式典に参加したほか、エンジニアリングプラスチック分野の事業で同州ハエン県のラ・カルロナに工場を保有するタカハタプレシジョンを訪問し、その他複数の日本企業とも会合を行った。

スペインは欧州のグリーン水素分野で、製造国としても、大陸間のトレードハブとしても、有望な市場とされ、アンダルシア地域ではスペイン最大のグリーン水素プロジェクト「アンダルシア・グリーン水素バレー」が計画されている(2025年3月27日付地域・分析レポート参照)。

写真 (左から)堀之内貴治ジェトロ・マドリード事務所所長、前川信隆理事、、フアン・マヌエル・モレノ州首相、カロリーナ・エスパーニャ アンダルシア州経済・財政・欧州基金庁長官(ジェトロ撮影)

(左から)堀之内貴治ジェトロ・マドリード事務所所長、前川信隆理事、フアン・マヌエル・モレノ州首相、カロリーナ・エスパーニャ アンダルシア州経済・財政・欧州基金庁長官(ジェトロ撮影)

(坂本裕司、堀之内貴治)

(スペイン、日本)

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