2025年上半期乗用車生産台数は前年同期比でやや減少も、BEV・PHEVは2.4倍に

(チェコ)

プラハ発

2025年08月01日

チェコ自動車工業会(AutoSAP)の7月24日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2025年上半期(1~6月)の国内乗用車生産台数は74万7,428台で、上半期での過去最高を記録した前年と比較すると3.5%減少したものの、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年を上回る台数を維持した(添付資料図1参照)。特に6月は、単月で前年同月比11.4%増と大幅に増加した(添付資料図2参照)。

一方、2025年上半期の電気自動車(EV)の生産台数は、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)合わせて14万6,783台で、前年同期比2.4倍と急増した(添付資料図3参照)。これに伴い、全生産台数に占めるEVの割合も、前年同期の8.0%から19.6%に急上昇した。

上半期の実績に関して、同工業会のマルチン・ヤーン会長は「(乗用車以外の自動車を含む)生産台数が75万台に達したこと、そして6月の乗用車生産が顕著な伸びを示した事実は、今年下半期に関しても楽観的な見方を許すものとなっている」と満足の意を示した。さらに、シュコダ・オートが牽引力となり、EV生産台数が前年同期比で増大したことに言及し、「このことは国内製造モデルの需要が増大している事実とともに、変化する自動車市場の状況に国内メーカーが柔軟に対応できていることを示している」と指摘した。

2025年上半期の実績をメーカー別にみると、最大手のシュコダ・オート(フォルクスワーゲングループ)の生産台数は48万771台で、前年同期比で1.5%増となった(添付資料表1参照)。うち22.5%に当たる10万8,116台がEV(BEV:9万3,416台、PHEV:1万4,700台)で、前年同期比3.3倍と飛躍的な伸びを示した(添付資料表2参照)。ヤーン会長によると、同社の国内生産拠点における1日当たりの平均EV生産台数は、現在、BEVの「エルロク」が約430台、同「エニャク」は320台、PHEVの「コディアク」は105台に達している。トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)の生産台数は11万6,417台で、6.7%減少した。全生産台数の半数以上を「ヤリス」のハイブリッド車(HEV)が占めた(HEVはチェコ自動車工業会のEV統計には含まれない)。また、現代チェコの生産台数は15万240台にとどまり、14.6%減となった。うち、2万515台がBEV、1万8,152台がPHEVで、EVが占める割合は25.7%とシュコダ・オートを上回った。

(中川圭子)

(チェコ)

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