ホンダ、トルコでの需要拡大を背景に二輪車工場設立発表
(トルコ)
イスタンブール発
2025年08月08日
ホンダのトルコ現地法人であるホンダ・トゥルキエは8月1日、エーゲ海沿岸地域イズミル県アリアーの工業団地に二輪車の新工場立ち上げを発表した。今回の立ち上げの背景には、トルコでの継続的な二輪車需要の高まりを受けた市場拡大がある。初期投資額は約2,000万ドルで、まずは年間10万台生産と約300人の従業員雇用を予定している。稼働は2026年半ばを目標としている。
トルコ統計局(TUIK)が2025年7月に発表した6月の「自動車統計」によると、2024年のトルコの二輪車登録総台数は626万1,927台で前年比23.3%増だった。2022年に400万台、2023年に500万台、2024年に600万台を突破しており、2022年以降、伸び率は2桁増を保っている(添付資料表1、2参照)。
二輪車増加の背景には、新型コロナ禍以降、経済的問題と生活習慣の変化があるものとみられる。燃料価格の高騰、都市部の交通渋滞、公共交通機関の課題の解決策として、低燃費で、駐車、渋滞問題を回避でき、小回りのきく柔軟な移動手段として二輪車が選ばれている。
特に沿岸都市や道路の狭い市内中心部では、二輪車の実用性が好まれる。夏季に多くの観光客が訪れる都市では、地元住民だけでなく、観光客にも主要な交通手段として利用される傾向があるという。また、eコマース企業の急増と大都市を中心とした宅配サービスの増加も、二輪車台数の増加に寄与しているとされている。
一方、二輪車の増加により、利用者の交通安全、ヘルメット着用や保険に対する意識と言った問題も浮き彫りになっている。
(井口南)
(トルコ)
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