タイとカンボジアが停戦合意、マレーシアや米中が仲介

(タイ、カンボジア、マレーシア、米国、中国)

バンコク発

2025年08月05日

タイ外務省は728日、カンボジアとの国境紛争をめぐり、マレーシアが第三者として開催した特別会合に関して、これら3カ国による共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

特別会合は、開催国のマレーシアのアンワル・イブラヒム首相が証人となり、タイ側はプームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼内務相(首相代行)、カンボジア側からはフン・マネット首相が参加。また、米国のドナルド・トランプ大統領がタイ、カンボジア両首脳に平和的解決を模索するよう連絡し、中国も対話の促進や停戦などに向け関係国との連絡を続けていたことから、米中両国の代表者も特別会合に加わった。

共同声明では、タイとカンボジア両国が次の共通認識を確認するとともに、首脳・外相・防衛相級の直接対話の再開に合意している。

  • 72824時(現地時間)をもって、即時かつ無条件の停戦を実施する。
  • 729日午前7時に、両国の地域軍司令官による非公式会合を開催する。双方の合意が得られた場合、ASEAN議長国(マレーシア)主導の下、各国防衛駐在官を交えた会合も開催する。
  • 84日に、カンボジア主催による「一般国境委員会(GBC)」を開催する。

タイ防衛省によると、GBCは当初予定されていたカンボジアからマレーシアに開催地を変更したうえで、84から7日にかけて実施され、最終日にはマレーシアに加えて米国、中国も立ち会う予定(「バンコクポスト紙」83日付)。

タイ王国軍は、停戦実施後の729日にカンボジア軍による攻撃を受けたと報告している。その後、タイ政府のジラユ・フンサブ報道官は、82日夜にかけて両軍の衝突はなかったとしつつも、タイ王国軍などによる警戒を続けていると述べている(「ネーション紙」83日付)。

(藪恭兵)

(タイ、カンボジア、マレーシア、米国、中国)

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