「AnimagiC」がマンハイムで開催、海賊版対策に積極的に対応、日系企業もゲーム・食品などPR

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2025年08月22日

アニメ・日本文化イベント「AnimagiC」が813日、ドイツ・マンハイムで開催された。1999年に始まった本イベント(2024年8月7日記事参照)は今回で25回目を迎え、3日間で約35,000人が来場した。

欧州ではアニメや日本文化に関連するイベントが多数開催されているが、その中でもAnimagiCは、日本から漫画家やアニメ制作会社、プロデューサー、配給会社、声優、歌手などを積極的に招いている点に特色がある。

写真 グッズ販売コーナーの入場列に並ぶ来場者(ジェトロ撮影)

グッズ販売コーナーの入場列に並ぶ来場者(ジェトロ撮影)

イベントステージでは、ソニー・ミュージックレーベルズ傘下で多くのアニソン歌手を擁する音楽レーベル「SACRA MUSIC」と連携したコンサートが行われたほか、「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌を担当する高橋洋子氏などもパフォーマンスを披露した。

会期中は、ドイツ語翻訳マンガの大手出版社によるライブ・ドローイング、サイン会なども実施された。また、日本アニメを中心とした動画配信プラットフォームのクランチロールは、ドイツでも人気を集める「ダンダダン」「鬼滅の刃」「薬屋のひとりごと」を紹介するミニゲームコーナーを設置し、来場者の列ができた。

主催者代表のトーマス・ウェーブラ氏は、「AnimagiCは規模こそ大きくないが、来場者が『本物』の日本コンテンツやグッズに触れられる場をつくることを重視している。日本から制作関係者やアーティストを招聘(しょうへい)するほか、マーチャンダイジングでは非正規品の取り締まりを重視するなど、日本のコンテンツ関係者との信頼構築を築いてきた。こうした積み重ねが、日本側から『AnimagiCになら参加したい』と言ってもらえる理由になっている」と語った。

写真 にぎわうグッズ販売コーナー(ジェトロ撮影)

にぎわうグッズ販売コーナー(ジェトロ撮影)

アニメ・日本文化イベントにおいて問題視される海賊版に関して、AnimagiCは主催者自らが積極的に対策に取り組んでいる。

日系企業では、任天堂、バンダイナムコ、カプコン、コナミなどがゲームエリアで自社製品を来場者にPRしたほか、日清食品グループ、伊藤園といった食品メーカーも出展。自社商品の販売目的で出展した伊藤園の担当者にヒアリングしたところ、「想像より売れ行きもよく、新しい出会いもあった」と語り、日系企業の欧州市場での認知度向上や販路開拓の機会となっている。

次回のAnimagiCは2026年7月31日~8月2日に開催される予定。

(佐藤由美子、𠮷澤和樹)

(ドイツ、日本)

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