6月の輸出額、前年同月比で10.5%増加
(シンガポール)
シンガポール発
2025年08月01日
シンガポール貿易産業省(MTI)傘下のシンガポール企業庁(エンタープライズシンガポール)が発表した2025年6月の貿易統計によると、貿易総額は前年同月比で5.4%増だった(エンタープライズシンガポール・プレスリリース)。このうち、輸出は10.5%増、輸入は変化がなかった。
7月22日に収録されたグローバル・トレード・アトラス(GTA)のデータによると、輸出の内訳は、再輸出が前年同月比17.9%増、地場輸出(注)が1.1%増といずれも前年同月を上回った。再輸出の国・地域別では、台湾向けが87.6%増加し、再輸出全体の伸びを牽引した。品目別では、「自動データ処理機械およびそのユニット類(HSコード8471)」が約2.4倍となり、輸出増加に貢献した。地場輸出では、国・地域別は英国(約10.2倍)、品目別は「非貨幣用金(HSコード7108)」(約3.4倍)が牽引した。
米国向け再輸出は前年同月比63.4%増
米国の関税措置をめぐる協議が続く中、6月の米国向け輸出は前年同月比21.6%増となった。輸出は2024年12月以降、7カ月連続で前年同月水準を上回った。輸出全体に占める米国の割合は8.7%で、中国、香港、マレーシアに次いで4番目だった。米国向けの再輸出は64.3%増となり、2024年7月以降12カ月連続で前年を上回った。一方、地場輸出は15.0%減で、2025年3月以降4カ月連続で前年を下回った。再輸出の品目別では、「電話機およびその他の通信機器(HSコード8517)」(前年同月比約3.6倍、寄与度20.7ポイント)や「集積回路(HSコード8542)」(約2.2倍、18.7ポイント)などが輸出増加を主導した。地場輸出の減少には、「石油および歴青油(HSコード2710)」(74.0%減、マイナス11.0ポイント)、「調整食料品(HSコード2106)」(26.0%減、マイナス3.2ポイント)などが影響した。
(注)シンガポール国内で生産された物品の輸出。
(中島諒士)
(シンガポール)
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