カンボジアでグリーン技術と宇宙技術がテーマのシンポジウム・商談会開催
(カンボジア、日本)
プノンペン発
2025年08月27日
ジェトロは7月24日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共催で、「日カンボジア経済共創交流シンポジウム~デジタル・グリーン技術と宇宙技術を活用したイノベーションとエコシステムづくりを目指して~」と商談会をプノンペン市内のホテルで開催した。
衛星データを活用したグリーン分野やカーボンクレジットなどでの協業を目的とするシンポジウムで、2023年と2024年(2024年8月22日記事参照)に続き、3回目の開催となった。今回はシンポジウム終了後に商談会も行い、日本企業とカンボジア企業が連携の可能性を話し合う場を設けた。シンポジウムには、日本からJAXAをはじめ、農林水産省、海外環境協力センター(OECC)、グリーンカーボン、サグリ、フェイガー、日本工営、GOMIソリューションズ、アルケダ、スペースブラストの10社・団体が参加した。カンボジアからはイエン・ソポルレット環境相をはじめ、農業関連団体や銀行、財閥企業や政府機関など100人以上が参加した。
開会あいさつで、カンボジア商工会議所のキット・メン会頭は「日本企業の持つ専門知識と先進技術がカンボジアの国家成長に大きく貢献する。カンボジアは、自然ベースの解決策や持続可能な農業手法など、カーボンクレジット市場に大きな可能性があり、日本の産業にとっても貴重な脱炭素の市場となる」とコメントした。また、植野篤志・駐カンボジア日本大使は「日本の先進技術が地域の農家にカーボンクレジットという新たな収入源をもたらし、地球温暖化の防止に貢献することを期待している」と述べた。
商談会には、カンボジアから15社以上の企業・団体が参加し、日本企業が持つビジネスの特徴や協業の可能性について商談が行われた。
参加したカンボジア企業の担当者からは、「日本以外にもカンボジアの農地を活用したカーボンクレジット事業に関心を持っている国はあるが、日本企業は他国での事業展開を経験しているなど、大きな強みがあると感じている。ビジネスとして協業するには多くの調整が必要で、時間がかかるかもしれないが、さまざまな可能性を協議できた」といった声が聞かれた。
シンポジウムの開会式(ジェトロ撮影)
(宮嶋紀輝、神田桃佳)
(カンボジア、日本)
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