CATL、セレス工場内で重慶初の生産ラインを稼働
(中国)
成都発
2025年07月16日
中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は6月30日、重慶市に本社を置く新エネルギー車メーカーの賽力斯集団(セレス)の工場内で、同社のCTP2.0高性能電池パックを生産する2本のラインを稼働したと発表した。
同生産ラインはCATLが初めて重慶市に設置するもので、セレスが華為技術(ファーウェイ)と共同開発した主力ブランド「問界(AITO)」向けに車載電池の生産と供給を行う。同生産ラインは、CATLが初めて他社工場内に設けたもので、従来の工場外からの部品供給方式に比べ、より短いサイクルで納品を実現できるという。
セレスの張興海董事長は、「CATLは問界(AITO)シリーズに対して高性能車載電池の開発と生産を行っており、今回、セレス工場内でCATLが生産ラインを稼働することは問界(AITO)にとって重大な意義を持つ」と述べた。
また、CATLの曽毓群董事長兼最高経営責任者(CEO)は「本日稼働した生産ラインは、CATLの中ではデジタル化とスマート化を実現した最先端の生産ラインだ」とした上で、「同生産ラインの稼働は、CATLの重慶市での現地生産開始のみならず、問界(AITO)とのさらなる連携強化に向けた新たな取り組み開始も意味する」と述べた。
CATLの発表によると、両社は環境に配慮した太陽光発電システムをセレス工場に設置しており、将来的には共同で新製品、新材料、新技術の連携を強化するとともに、グリーン発展を実現するとしている。曽董事長は5月20日、同社の香港証券取引所への上場セレモニーで、「CATLは単なるバッテリーの製造企業ではなく、ゼロ炭素の実現に力を入れており、数多くの連携先とともにゼロ炭素産業園区やゼロ炭素プロジェクトなどを作り出す」とグリーン発展の重要性を強調していた。また、業界団体の中国汽車動力電池産業創新聯盟が7月10日に発表した、2025年1~6月の電池メーカー別の国内動力電池搭載量では、CATLが全体の43.1%に当たる128.9ギガワット時(GWh)を占め、首位を維持した。
(王植一)
(中国)
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