米トランプ関税のほとんどか全てが発効していないと33%が認識、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年07月11日

米国のドナルド・トランプ大統領は相互関税の適用を8月1日からに延長し、対象国・地域に対して書簡を送った(2025年7月8日記事参照)。最近の世論調査では、33%の回答者がトランプ関税はわずかしか発効していない、あるいは全てが発効していないと認識していることがわかった。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは7月9日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、トランプ政権が導入を表明した追加関税への認識として、「わずかしか発効されていない(31%)」あるいは「全てが発効していない(2%)」と33%が回答した。支持政党別では、民主党支持者(36%)、無党派層(32%)が共和党支持者(29%)を上回った。

「ほとんどが発効している(18%)」あるいは「全てが発効している(4%)」は22%にとどまった。「わからない」は30%だった。

また、関税への見方として、「経済と消費者に悪影響を及ぼし、長期的な利益は実際にはない」が46%で、「関税は短期的には経済的痛みをもたらす可能性があるが、長期的には経済成長につながる」(36%)を上回った。

関税対応として娯楽や衣服、旅行の支出を控える

ヤフー・ファイナンスとマリスト大学が7月7日に発表した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)によれば、80%の回答者(いくらか懸念41%、非常に懸念39%)が不透明なトランプ関税や米国経済の見通しなどを懸念するという結果だった。それに伴い、消費者が2025年の夏に買い控えを考えるもの(こと)として、娯楽(48%)、衣服(45%)、IT関連品(39%)、家具・家電(37%)、自動車・輸送機器(30%)、玩具・ゲーム(29%)が上位に挙がった。これ以外にも、39%が夏の旅行を減らすと回答した。

調査会社コアサイト・リサーチの創業者兼最高経営責任者(CEO)のデボラ・ワインスウィグ氏は「消費者は関税が財布に及ぼす影響を必ずしもまだ感じてないとしても、確実に支出を抑えている」と述べた。

民間調査会社コンファレンスボードが6月24日に発表した6月の消費者信頼感指数は5月から5.4ポイント低下して93.0となった。

(注1)実施時期は2025年7月4~7日。対象者は全米の成人1,528人。

(注2)実施時期は2025年5月28~31日。対象者は全米の成人2,000人。

(松岡智恵子)

(米国)

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