2025年上半期の訪問外国人数は前年同期比20.7%増

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年07月23日

ベトナム統計局によると、2025年上半期(1~6月)にベトナムを訪れた海外からの訪問者数(推定)は1,066万5,000人だった。前年同期の訪問者数(883万2,000人)から20.7%増加し、新型コロナウイルス流行前の2019年同期比では25.7%増加した。

訪問者数の内訳をみると、上位3カ国・地域は中国272万7,000人(前年:189万1,000人)、韓国220万8,000人(同:228万2,000人)、台湾63万人(同63万人)だった。日本は39万3,000人(同33万6,000人)で5位だった(添付資料表参照)。

新型コロナ流行前の2019年同期と比較すると、中国(9.8%増)、台湾(46.4%増)、米国(14.3%増)などからの訪問者数が増加した。増加率で特に大きかったのは、カンボジア(4.5倍)やフィリピン(3.2倍)だった。

ベトナム政府は2025年の観光開発刺激策の枠組みとして、2025年3月から12月まで、ポーランド、チェコ、スイスの旅券所持者がベトナムの国際旅行サービス会社が企画する観光ツアーで45日間滞在する場合、ビザ免除を認める措置を導入した。この措置を受け、これら3カ国からの訪問者数の増加が見込まれる。

ファム・ミン・チン首相は7月3日、2025年上半期の主要な成果の1つとして、観光分野を評価した(ベトナム文化・スポーツ・観光省ポータルサイト7月4日付)。政府は2025年に海外から2,200万~2,300万人の訪問者誘致を目標としており、上半期で目標の50%近くまで到達したことになる。

航空会社の路線拡大、訪問者数増加に期待

訪問外国人数の増加に向け、国際線の新規就航が進んでいる。ベトナム航空は2025年半ばまでにベトナムの都市と北京やバンコク、ベンガルール、ハイデラバード、プサン、バリ、ミラノの各都市を結ぶ直行便を就航した(注)。12月にはコペンハーゲンへの路線も就航する予定だ(「ホーチミン市法律新聞」7月10日付)。また、ベトジェット航空は3月にホーチミン市とベンガルール、ハイデラバード、6月にはベトナム中部カインホア省ニャチャン市からロシアの3都市(ウラジオストク、ハバロフスク、ブラゴベシチェンスク)への直行便を就航させた。さまざまな国・地域への国際線運行により、下半期の訪問者数の増加が期待される。

(注)ベトナム航空は2025年3月にホーチミン~北京、5月にハノイ~ベンガルール、ハノイ~ハイデラバード、6月にニャチャン~プサン、ホーチミン~バリ、7月にハノイ~ミラノの各路線の直行便を就航した。

(グエン・ティエン、小林真龍)

(ベトナム)

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