武漢経済開発区港から日本と韓国向け直行航路が開通

(中国、日本)

武漢発

2025年07月23日

中国湖北省武漢市の武漢経済開発区港と名古屋港を結ぶ航路が7月19日に開通した。この航路は同開発区港を出港すると、韓国の釜山港、日本の門司港、大阪港を経由して、名古屋港に至るものだ。

貨物輸送などを手掛ける武漢経開港口の王遠輝副総経理は「最初の貨物は自動車部品、化学品、不織布など4,300万元(約8億8150万円、1元=約20.5円)だった。全体で304のコンテナのうち、140コンテナは武漢経済開発区の地元企業のもので、全体の46%を占めた。中国の自動車バレー(車谷)をグローバルな産業チェーンに統合するための高効率で便利な国際物流の新ルートを切り開いた」と述べた。海外輸出コンテナはこれまで武漢経済開発区港から武漢市の陽邏港まで浮船で運ばれ、その後、沿海の港を経由して、通関などの手続きを行う必要があった。新しい航路は輸送時間を3日間から5日間節約でき、1コンテナ当たりの物流コストを1,000元ほど削減できる。同時に、通関手続きは1カ所で完了し、企業の通関時間も節約できるという。

このほか、湖北省荊州市の塩卡港区も日本と韓国への直行コンテナ船航路を開通する可能性がある。交通運輸部は5月16日、塩卡港区への国際船舶のアクセスを承認した。期間は6カ月。今回承認した塩卡港区は、河岸線の全長が220メートル、5,000トン級の船舶が2隻停泊でき、水量が多い時期には1万トン級の船舶も停泊が可能だ。塩卡港区は間もなく同区にとって初の日韓直通の国際近海航路として、塩卡港区から韓国の釜山港、日本の門司港、大阪港、名古屋港の4港に寄港する航路を開通させるとされる。同航路開通後は、商品は塩卡港区で国際船舶に搭載された後、海外に直接輸送されるため、企業の総合物流コストを大幅に削減できる。「荊州企業、荊州製品は海外へ」という新たな国際物流チャンネルが加わることになる。

2024年11月には湖北省武漢市の陽邏港と、インドネシアのスラウェシ島中部に位置するラボタ港を結ぶ直行貨物輸送航路が開通しており、湖北省と海外を結ぶ直行コンテナ船ルートの開設が続いている(2024年12月10日記事参照)。

写真 武漢市付近の長江を航行するコンテナ船(ジェトロ撮影)

武漢市付近の長江を航行するコンテナ船(ジェトロ撮影)

(高橋大輔)

(中国、日本)

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