ジェトロ、日・韓・ポーランド3カ国連携ビジネスフォーラムをワルシャワで開催

(ポーランド、日本、韓国、ウクライナ)

ワルシャワ発

2025年07月14日

ジェトロは7月2日、韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)とポーランド投資・貿易庁(PAIH)との共催で、ポーランドのワルシャワで日本・韓国・ポーランドの3カ国の企業が集う国際連携・協業ビジネスフォーラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催した。3カ国の企業間で国際連携・協業の促進を行い、アライアンス(業務提携、技術提携、出資、合弁事業設立など)を通じて、新たなビジネス開発や新規事業につなげる機会の創出を目的とし、各国の企業・政府関係者など220人以上が集まった。3カ国がポーランドでビジネスイベントを共催する初めての機会となった。

主催者を代表してあいさつに立ったジェトロの前川信隆理事は「国際社会が直面するさまざまな課題に立ち向かうには、各国が連携を強化し、競争力、レジリエンス(回復力、復元力)を高めることが重要だ」と強調した。さらに「ポーランドはその地理的優位性から欧州への玄関口として注目されており、現在、製造業を中心に日系企業が360社以上進出している」とし、「今回のビジネスフォーラムが企業間の協業を促進する契機になることを期待する」と語った。

また、PAIHのパベウ・プドウォフスキ副長官は開会あいさつで「このフォーラムは、ポーランド・日本・韓国の関係に象徴的な新たな章の幕開けであると同時に、イノベーション、復興支援、戦略的パートナーシップの推進に向けた実質的な第一歩となる」と述べた。

フォーラムでは次の4つのテーマでパネルディスカッションが実施され、各パネルには3カ国からそれぞれ2人ずつのパネリストが登壇し、モデレーターによる進行のもと、合計24人の専門家が議論を交わした(アジェンダと各セッションの詳細PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

  • セッション1:未来へのエネルギー供給―持続可能な成長のためのインフラとエネルギーの協力
  • セッション2:強靭(きょうじん)なサプライチェーンの構築―ポーランドの産業基盤強化
  • セッション3:イノベーションと新興技術―第四次産業革命の牽引
  • セッション4:復興と拡大―ウクライナの再建と第三国による市場進出

ウクライナ復興に関するセッションでは、日本からは国際開発コンサルタントのパデコ、日本貿易保険(NEXI)がそれぞれの取り組みやサービスを紹介し、ウクライナ復興事業への積極姿勢をアピールした。パデコはウクライナの送電インフラや交通インフラの復旧を目的としたコンサルタント業務を実施しており、2025年夏にはウクライナ支社設立を予定していることを発表した。NEXIはロシアによるウクライナ侵攻開始後も、ウクライナ向け貿易保険の引き受けを継続しており、日本企業によるウクライナ向け輸出や投資活動を後押ししている。

また、7月3日から8日にかけて経済産業省と外務省、ジェトロが実施したウクライナ(首都キーウとリビウ)への官民ミッションの参加企業がフォーラム会場を訪れ、ポーランドからウクライナへの出発前にネットワーキングを行う機会として活用した(ミッションに関するプレスリリース:経済産業省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますジェトロ)。

写真 ビジネスフォーラムの様子(PAIH提供)

ビジネスフォーラムの様子(PAIH提供)

写真 パネルディスカッション(PAIH提供)

パネルディスカッション(PAIH提供)

(余田知弘、金杉知紀、下畑真優)

(ポーランド、日本、韓国、ウクライナ)

ビジネス短信 ef6445890fe25abd