中国の車載電池大手CATL、インドネシアでEV電池一貫生産プロジェクトを始動

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年07月03日

インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は6月29日、西ジャワ州カラワン県の工業団地「アルタ・インダストリアル・ヒルズ」で、統合型電気自動車(EV)電池産業エコシステムの起工式を実施したと発表した(6月29日付エネルギー・鉱物資源省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。本プロジェクトは、中国の車載電池大手である寧徳時代新能源科技(CATL)傘下の寧波普勤時代(CBL)などが、インドネシアの国営企業のアネカ・タンバン(鉱業)およびインドネシア・バッテリー・コーポレーション(IBC)などと提携して進めるものだ(「デティック」6月29日)。式典には、プラボウォ・スビアント大統領をはじめ、インドネシア政府閣僚や中国大使館関係者が出席し、同国初の大規模統合型電池産業への期待を示した(6月29日付国家官房プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

エネルギー鉱物資源省によると、本プロジェクトは国家戦略事業(PSN)に指定されており、総投資額は59億ドル、事業用地は3,023ヘクタールに及ぶ(6月29日付エネルギー・鉱物資源省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。本計画では、ニッケル採掘・製錬から、電池セル生産や使用済み電池のリサイクルまで、サプライチェーン全体が一貫して構築される。インドネシア東部の北マルク州ハルマヘラ島でニッケル採掘、乾式・湿式製錬、正極材製造、使用済み電池リサイクルの5つの工程が行われ、電池セルの生産は西ジャワ州カラワンの工場で行われる。カラワンのセル工場は、2026年末までに電池年産能力6.9ギガワット時(GWh)で稼働し、段階的に年産15GWhまで拡張する計画だ。この規模は、EV約30万台に相当する電池を供給できる量となる。

IBCによると、生産された電池の約7割は国内自動車メーカー向けに供給し、約3割を日本、インド、米国などへ輸出する方針だ(「アンタラ」6月29日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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