インド、米国による自動車・同部品輸入に対する追加関税に絡みWTOに対抗措置を提示
(インド、米国)
調査部アジア大洋州課
2025年07月07日
インド政府は7月3日、WTOに対して、米国による自動車・同部品を対象にした追加関税(2025年4月3日記事参照)は、セーフガード(緊急輸入制限)措置に当たると通報した。また、当該措置はインドの貿易に有害な影響を与えるとし、WTOセーフガード協定8条で定められる対抗措置として、特定の米国原産品に対する輸入関税の引き上げを提示した。WTOが7月4日に発表した。
インド政府はこの通報で、今回の米国による追加関税措置は、1994年GATT(関税および貿易に関する一般協定)やWTOセーフガード協定と矛盾しており、WTOセーフガード協定12条3項に定めたコンサルテーションが実施されていないと指摘している。
対抗措置によって輸入関税引き上げの対象となる具体的な品目や関税率は、同通達内では公表されていない。しかし、米国の追加関税措置により、米国のインドからの輸入品28億9,500万ドル分が影響を受け、米国側は7億2,375万ドルの税収を得ることが見込まれるとして、インドの対抗措置はそれと同程度の税収を米国原産品からインドが得られるようなものとするとした。
(深津佑野)
(インド、米国)
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