鄂州花湖空港が開港から3年、空輸と鉄道輸送の連結も進める
(中国)
武漢発
2025年07月30日
中国湖北省鄂州市に所在する鄂州花湖空港は7月17日、開港から3年を迎えた。この3年間で累計6万便以上の貨物便を運行し、貨物と郵便の取扱量は200万トンを超えたと発表した。2025年に入ってフランス・パリ、ノルウェー・オスロ、デンマーク・コペンハーゲンなど15の国際貨物路線が開通したほか、ベルギー・リエージュ、ハンガリー・ブダペスト、米国シカゴなどの路線は便数を増加させている。7月17日までに累計で45の国際貨物路線が開通しており、中国中部地域(注1)ではトップの路線数となっている。また、全国の省級行政区(注2)をカバーしており、59路線の運用と、こちらは国内でトップとなっている。
2025年上半期、同空港の国際貨物と郵便の取扱量は、前年同期比3.61倍の24万9,000トンに達した。同時期の国際路線は4.33倍の約6,500便、貨物便の発着回数は国内の空港で4位となり、輸出入貨物輸送量はわずか半年で2024年の年間貨物輸送量の90%を超えた。
同空港は国際・国内物流のハブ空港となっており、ライチが旬となる6月には貨物航空会社の順豊航空とともに、ライチ産地の広東省の湛江市、深セン市、海南島の海口市、広西チワン族自治区の南寧市との間で「ライチ便」を運航し、毎日約200万粒のライチを同空港から全国へ輸送した。また、海外のドリアン、サーモン、その他の高品質な産品が世界各地から同空港に集まり、全国の消費者に素早く出荷されるという。
同空港と貨物鉄道の連結を進める動きもある。湖北鉄路集団は2024年9月28日、国内初となる空輸と貨物鉄道輸送の連結プロジェクトとして、鄂州花湖空港への鉄道連絡線の建設を開始すると発表し、2025年6月20日には同プロジェクトを加速させるとした。プロジェクト完了後は、同空港を中心に半径250キロから450キロの貨物輸送鉄道で輸送能力が強化され、コスト削減のほか、環境に優しいグリーン化が推進されるという。
(注1)一般的に湖北省、湖南省、河南省、江西省、安徽省、山西省の6省を指す。
(注2)中国政府ウェブサイトによると、省級行政区とは、23の省、5つの自治区、4つの直轄市、2つの特別行政区を指す。
(高橋大輔)
(中国)
ビジネス短信 e7b1307a5a6f3ce4