アップル、米レアアースのMPマテリアルズに5億ドル規模の投資

(米国)

サンフランシスコ発

2025年07月17日

米国アップルは7月15日、レアアースの採掘・精製・製造を手掛けるMPマテリアルズ(本社:ネバダ州ラスベガス)と新たな戦略的パートナーシップにより、複数段階にわたり総額5億ドルの投資を行うことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。7月10日に米国防総省が4億ドル規模の投資を発表したものに続くもので、米国政府と民間企業が連携してレアアースの国内供給網強化に乗り出したことを示す動きだ(2025年7月15日記事参照)。

両社は、アップル製品専用に設計されたネオジム磁石製造ラインを複数設置した工場をテキサス州に建設する計画だ。最新設備と革新的技術を活用し、世界的需要の増加に対応するため生産能力の大幅な拡張を図る。出荷開始は2027年を予定しており、数億台規模のアップル製品を支える供給能力を見込んでいる。

また、MPマテリアルズの鉱山があるカリフォルニア州マウンテンパスには、最先端のレアアース・リサイクルラインを構築する。過去5年にわたり、回収されたレアアース磁石をリサイクルする技術を運用してきたが、今回の提携により、その体制も強化される見通しだ。さらに両社は、磁石性能の向上を目的に、新規磁石材料と革新的な加工技術の共同開発にも取り組む。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「アップルのすべての活動は米国のイノベーションに支えられており、米国経済への投資をさらに深めることを誇りに思う。レアアース材料は先進技術製造に不可欠であり、このパートナーシップは米国におけるこれらの重要材料の供給を強化する。米国製造業の未来にこれほど興奮していることはなく、米国民の独創性、創造性、革新の精神への投資を継続していく」と述べた。

なお、アップルは2025年2月に今後4年間で米国内に5,000億ドルを投資する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、今回の計画もその一部、と複数のメディアが報じている。

(芦崎暢)

(米国)

ビジネス短信 e5b81be481b63659