ジャパンエキスポ・パリ開催、マクロン大統領も会場を訪問
(フランス、日本、世界)
パリ発
2025年07月11日
欧州最大級の日本文化イベントであるジャパンエキスポ・パリが、7月3~6日にフランス・パリ郊外で開催された。第24回となる今回は、日本企業・団体を含む約970社の出展者と、500人超のゲストが参加し、日本のエンタメコンテンツを中心にさまざまなプログラムが展開された。
初日にはエマニュエル・マクロン大統領が来場し、「ドラゴンボール」の編集を務めた鳥嶋和彦氏や、フランス語版吹き替え声優を務めたブリジット・ルコルディエ氏と「かめはめ波」ポーズで記念撮影を行った。
マンガ関連では、電子コミック配信サービスを手掛けるフランス企業Mangas.ioが、前年に続きマンガ販売や屋台風の出店でクイズなどのアクティビティを提供するカルティエマンガ2.0エリアを展開。また、集英社は「Shonen Jump+ MANGA Contest」を開催し、最優秀作品には「少年ジャンプ+」アプリ上での日本語版掲載権と6,500ユーロの賞金が授与された。
カルティエマンガ2.0エリア(ジェトロ撮影)
アニメ関連では、ガンダム最新シリーズの先行劇場版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)-Beginning-」(注)の試写およびパネルイベントが実施された。ステージには鶴巻和哉監督、シリーズ構成・脚本を担当した榎戸洋司氏、デザインワークス・画コンテを担当した前田真宏氏が登壇し、制作背景などについて語った。同作は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」などで知られるスタジオカラーと「ガンダムシリーズ」を手掛けるサンライズの初協業作品として注目を集めており、同イベントのみならずバンダイナムコが手掛けるガンプラブースにも多くの来場者が詰めかけた。
バンダイナムコ・ガンプラブース(ジェトロ撮影)
ゲーム分野では、任天堂が次世代ゲーム機Nintendo Switch 2のプロモーションを目的に「マリオカート ワールド」などの試遊コーナーを設置。常に行列ができる大盛況だった。これに加え、IP(知的財産)コンテンツ(以下、IP)関連商品では、フランスのアパレルブランド、セリオ(Celio)が日本の人気IPとコラボしたTシャツなどを販売。また、日本のアニメショップのアニメイトは、会場でのグッズ販売とともに7月1日からパリ市内で期間限定のポップアップストアを展開した。
任天堂ブース(ジェトロ撮影)
アニメイトブース(ジェトロ撮影)
また、BtoB専用エリアにおいて、出版取次大手のトーハンなどが個別ブースを構えたほか、角川メディアハウスが事務局を務める「マンガフェスティバル」が主催する商談スペースが設置された。会期を通じて、一般来場者向けのプロモーション(BtoC)と並行して、業界関係者による商談(BtoB)が展開され、日本コンテンツの欧州市場への展開拡大に向けた動きが見られた。
ジャパンエキスポ・パリは2026年に25回目を迎える。市場獲得に向けてBtoBとBtoCの両輪によるアプローチが求められる中、消費者への直接的なプロモーションの場としてだけではなく、BtoBを通じた正規品流通拡大においてもジャパンエキスポが、フランスおよび欧州市場への重要な足掛かりとなることを期待したい。
次回のジャパンエキスポ・パリは2026年7月9~12日開催の予定。
(注)テレビシリーズ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」の日本でのテレビ放送に先駆け、数話を劇場上映用に再構築したもの。
(𠮷澤和樹)
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