インド外相、5年ぶり訪中で直行便再開にも意欲
(インド、中国)
調査部アジア大洋州課
2025年07月18日
インドのスブラマンヤム・ジャイシャンカール外相は7月14日、北京で中国の王毅・中国共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)と会談した。インド外相の中国訪問は5年ぶりだ。
握手を交わすジャイシャンカール外相(左)と王毅外相〔ジャイシャンカール外相のX(旧Twitter)投稿画像〕
会談で両外相は2国間関係を再確認した。ポイントは次のとおり。
- 両国は、2025年の国交樹立75周年記念行事を含み、「人」を中心に据えた両国の関係性安定化・再構築に係る進展を注視する。人的交流促進のため、直行便再開など両国間での往来活発化を含む追加的措置について合意した。
- ジャイシャンカール外相は、2国間関係の順調な発展に向け、国境付近の平和と安穏のポジティブな影響を強調し、緊張緩和と国境管理の継続した努力を支持した。また、国際河川に係る協力(注)が必要不可欠と強調したほか、貿易制限措置など経済協力の課題についても取り上げた。
両国間の関係は、従前から抱える国境問題に加え、2020年にインド北部ラダック地方で発生した軍事衝突によって一層冷え込んだが、2024年10月には約5年ぶりに両国首脳会談が開催されるなど(2024年11月26日記事参照)、足元では改善を見せている。
(注)インド外務省は2025年2月の議会審議で、北東部ブラマプトラ川の上流、中国チベット自治区でダム建設が計画されていることを注視していると回答し、同河川の水データの共有再開などに向けて、中国政府と協議する意向を示していた。
(深津佑野)
(インド、中国)
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