ポルトガルの大型再エネ事業を共同取得、丸紅系ファンドなど
(ポルトガル)
マドリード発
2025年07月10日
丸紅は7月3日、海外インフラ資産へのエクイティー投資を目的とするMMキャピタル・インフラストラクチャー・ファンド2号を通じて、フランスの総合エネルギー大手トタルエナジーズの再生可能エネルギー(再エネ)事業会社がポルトガルに保有する再エネポートフォリオ事業の持ち分50%を取得したと発表した。大和エナジー・インフラ、みずほリースとの共同取得で、トタルによると、取得額は1億7,850万ユーロとされる。
今回取得した資産は、陸上風力発電、太陽光発電、小水力発電(いずれも稼働済み)を含む合計604メガワット(MW)と、イベリア半島で最大規模の再エネ事業ポートフォリオだ。現在の再エネ電力固定価格買い取り制度の適用終了後は、残り50%を保有するトタルエナジーズが電力を買い取り、市場での売電を担う。同社は世界全体における再エネ発電設備容量を現在の28ギガワット(GW、2025年3月末時点)から、2025年末までに35GWに拡大し、2030年までに発電量を100テラワット時(TWh)に到達させる方針だ。
丸紅はポルトガルで2013年に電力事業、2014年に水道事業、2016年にガス配給事業に参入しており、2023年3月には同国で初めて、既存の天然ガス配送ネットワークにグリーン水素を注入する実証事業を開始した。今回の取得に関して、丸紅ポルトガルの水田時緒支店長は「丸紅は2013年の電力事業参入以来、ポルトガルでエネルギーインフラ事業を着実に拡大してきた。今回の再エネポートフォリオ取得により、同国での事業基盤をさらに強化し、持続可能な社会の実現への貢献を目指す」とコメントしている。
(小野恵美)
(ポルトガル)
ビジネス短信 da851b92e74395bf