セネガルのファイ大統領が米国・アフリカ5カ国首脳会議に出席
(セネガル、ガボン、ギニアビサウ、モーリタニア、リベリア、米国)
アビジャン発
2025年07月24日
セネガルのバシル・ジョマイ・ジャハール・ファイ大統領は7月9~10日、米国のドナルド・トランプ大統領の招待を受け、米国を公式訪問した。ファイ大統領は9日、アフリカ5カ国(ガボン、ギニアビサウ、セネガル、モーリタニア、リベリア)首脳とトランプ大統領の会談で、セネガルが平和、経済発展、技術革新、ビジネス環境の整備に積極的に取り組んでいると強調した。また、ビジネスを行う上で平和と安全の重要性を指摘し、スーダン、リビア、サヘル地域の安全保障上の課題に連携して取り組んでいく姿勢を示した。
ファイ大統領は米国企業に対し、セネガルの政治的な安定性とビジネス環境の改善をアピールし、セネガルの首都ダカール近郊のテクノロジー都市「デジタル・シティー」への投資誘致を呼びかけた。また、米国のニューヨークやマイアミ、欧州、湾岸諸国の都市から飛行機で6時間の距離にあるセネガルの地理的優位性を生かした観光開発の可能性にも言及した。
トランプ大統領は会談で「アフリカには他に類をみない大きな経済的潜在力があり、米国は援助から貿易へとシフトし、アフリカとの新たな経済機会の創出に全力を注ぐ」と述べた。また「安全な第三国」協定に言及し、アフリカ諸国に移民対策への協力を求めた。
「ニューヨーク・タイムズ」紙(7月9日付)は、会談の背景にはアフリカの重要鉱物資源に対する米国のアクセス拡大と、中国のアフリカへの影響力拡大に対抗する意図が米政府にあると報じた。
ファイ大統領は7月10日、米国商工会議所が開催したハイレベルラウンドテーブルに参加し、米国の主要企業約30社の経営者に、投資や関税、税制にかかる法制度の見直しなど、ビジネス環境改善を目指す一連の改革を説明した。特にエネルギー、アグロインダストリー、インフラ、デジタル経済、天然資源開発(ガス・石油など)といった重要分野の投資機会を米国企業に提示した。米国商工会議所は、米企業のセネガル進出促進のため、「セネガル投資ガイド」を近く発行することを明らかにした。
セネガル大統領府によると、ファイ大統領はボーイングのマイケル・シュナーベル国際事業担当副社長らとも会談し、エールセネガルとのパートナーシップ強化、特に新機材導入、現地人材育成、航空分野での高度人材雇用創出について協議した。また、米政府の援助機関ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション関係者とも今後の協力について会談した。
(渡辺久美子、橘欣子)
(セネガル、ガボン、ギニアビサウ、モーリタニア、リベリア、米国)
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