ミルジヨエフ・ウズベキスタン大統領がモンゴル訪問、繊維製品や鉱物分野などで協力進展
(ウズベキスタン、モンゴル)
タシケント発
2025年07月01日
ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は6月24日から25日にかけて、モンゴルを公式訪問した。ウズベキスタン大統領による初のモンゴル訪問で、2024年6月にモンゴルのオフナー・フレルスフ大統領がウズベキスタンを公式訪問したことに続くものだ。前回の訪問を通じて両国間の貿易・技術協力が進展した。
ミルジヨエフ大統領とフレルスフ大統領は24日に会談を行い、包括的パートナーシップ関係の確立に関する共同宣言に署名した。さらに、両国政府間で鉱業、環境保護、高等教育、保健医療、文化、農業、エコツーリズムなどの分野で協力文書に署名した。
経済協力も進展した。2024年6月の両国首脳会談で策定した両国間の貿易額を10~20倍に増加させる目標に基づいて、6月23日にウランバートルでウズベキスタン製品のショールームが開設された。展示会「メード・イン・ウズベキスタン」も開催され、ウズベキスタンからモンゴルへの果物、菓子、飲料の輸出に関する計1,100万ドル相当の契約が両国企業間で締結された。
23日にはビジネスフォーラムも開催され、繊維製品や皮革製品の共同生産プロジェクトの実施に関する2国間文書の交換が行われた。特に、ウズベキスタンの繊維企業イデアル・テキスタイル・オルズは、カシミア製品の製造販売を手掛けるモンゴルのカシミア・ホールディングと、羊毛加工とカシミア製品生産に関する共同事業実施で暫定合意に達した。この事業では、ウズベキスタンの紡績、染色、既製服の生産技術の活用を目指す。フォーラムでは、ウズベキスタンの電機産業協会「ウズエルテフサノアト」と、モンゴルIT企業ゲレゲ・システムズとの間で、ウズベキスタン製の電力・ガス計測システムのモンゴルへの導入に向けた覚書の調印も行われた。
鉱物資源の採掘・加工でも技術協力が進展した。首脳会談に先立つ6月上旬、ウズベキスタンの地質探査会社「ウズベク海外地質会社」が駐在員事務所をウランバートルに設立した。これは、ウズベキスタンによるモンゴルでの体系的な金属資源探査実施の第1歩となる。ウズベキスタンのウラン採掘会社ナボイ・ウランはモンゴルでのウラン採掘計画に、ナボイ鉱山金属コンビナート(NGMK)はモンゴルでの金や銅などの資源採掘計画に、それぞれ参画を検討していることも明らかになった(「UzA通信」6月23日)。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、モンゴル)
ビジネス短信 d507f2a8e9289889