ジェトロ、上海国際映画祭の関連シンポジウム開催
(中国、日本)
上海発
2025年07月04日
第27回「上海国際映画祭」が上海市で6月13日から22日まで開催された。今回は71カ国・地域の400本以上の映画が同市内43の映画館で上映された。同映画祭の公式WeChatによると、6月20日午後8時時点で、観客動員数は48万4,000人に達したという。また、日本映画「夏の砂の上」(玉田真也監督)が審査員特別賞を受賞し、大きな注目を集めた。
ジェトロは、コンテンツ分野のネットワーキングと海外市場開拓を目的に、6月21日午前、映画祭の期間中に行われる金爵映画フォーラム(金爵電影論壇)で日本の映画やIPをテーマとしたシンポジウムを同映画祭と共同で開催した。
第1部のピッチセッションでは、アニプレックスの上海現地法人・総経理の黒崎静佳氏、講談社ライツ事業部副部長の山崎慶彦氏、路画影視(ロードピクチャーズ)の最高経営責任者(CEO)の蔡公明氏がそれぞれ講演を行った。山崎氏は「優れたIPを実写映画化する際には、各地域の現地市場に即した取り組みが極めて重要だ」と述べた。蔡公明氏は「『名探偵コナン』などのIPの統合的な運営により、興行収入の拡大のみならず、情緒的価値を提供できるグッズや商品販売などが可能となった。このような取り組みは多様な収益化とIPの長期的な価値向上にも貢献できる」と発言した。
第2部のパネルディスカッションでは、日本からは美術監督の種田陽平氏、プロデューサーの村田千恵子氏、中国からはプロデューサーの頓河氏、俳優兼映画キュレーターの薛旭春氏ら、日中の業界関係者が登壇した。種田氏と村田氏の対談では、日本映画「国宝」の作品づくりにかけた思いや国際展開についての展望などが話題に上がり、頓河氏、薛旭春氏からは日中間でのIP運営や映画制作などに関するさまざまな連携の可能性について言及があった。
美術監督の種田陽平氏(左)、プロデューサーの頓河氏(右)(ともにSIFF提供)
金爵映画フォーラムのゲスト(SIFF提供)
ジェトロは今後も、映画をはじめとしたコンテンツ分野で、ネットワークを活用した販路拡大につながる支援を行う予定だ。
(孟矜)
(中国、日本)
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