海外からバイオ・ヘルスケア分野の企業・団体をジェトロ招聘、大阪で日本企業と関係構築へ

(日本、米国、カナダ、オーストラリア)

大阪本部イノベーション課

2025年07月04日

大阪府が主催するヘルスケア分野の国内外企業向けマッチングイベント「Osaka Biotech & Pharma Networking Event外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が6月24日、大阪市北区のコングレスクエア グラングリーン大阪で開催された。同イベントは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のテーマウイーク「健康とウェルビーイング」に合わせ、ライフサイエンス分野のパートナーシッププログラムだ。大阪を世界的なライフサイエンス分野の集積地とするために、大阪・関西企業と外国企業とのマッチングの機会を創出し、地域への投資の促進や地元企業の海外展開支援を行うことを目的に開催された。当日は個別商談や、海外研究機関などによるセミナー、ピッチイベント、ネットワーキングが行われた。過去2回の開催はオンラインのみの実施だったが、大阪・関西万博やJapan Health(注1)の開催に伴い、多くの外国企業・団体が集まることから、初めてのハイブリット開催となった。

ジェトロは同イベントに合わせ、海外のバイオ・ヘルスケア分野の企業・団体5社(注2)を大阪に招聘(しょうへい)し、イベント会場内で日本企業12社とのマッチングやピッチイベントのほか、大阪を中心とする企業や大学、研究機関、大阪ヘルスケアパビリオンなどへの視察をアレンジした。開催期間中に延べ約40件の面談が実施され、多数の意見交換や将来へ向けた関係構築が行われた。

招聘された外国企業は視察や面談を通して、日本と海外での新薬の承認期間の違いや、大阪のライフサイエンス分野集積地化に向けた試み、大阪域内の医療機関や企業などの新技術の早期実用化の取り組み状況などについて学ぶとともに、医療関係者やアカデミア、製薬会社などと意見交換を行った。

参加企業からは、「多くの日本企業や大学機関と接点を持つことができた。次につながる面談となり、大変有意義だった」「大阪のヘルスケアエコシステムの強みや取り組みがよくわかり、関心が高まった」などの声が寄せられた。

写真 Japan Healthで大阪バイオ・ヘッドクオーターのブースでピッチを行った招聘された5社(ジェトロ撮影)

Japan Healthで大阪バイオ・ヘッドクオーターのブースでピッチを行った招聘された5社(ジェトロ撮影)

写真 中之島クロスでの講義(ジェトロ撮影)

中之島クロスでの講義(ジェトロ撮影)

写真 京都のイベントでのピッチ(ジェトロ撮影)

京都のイベントでのピッチ(ジェトロ撮影)

(注1)次世代の医療イノベーションを牽引する国内外400社以上の先進的なヘルスケア企業が一堂に会する国際的な展示会。

(注2)招聘した企業・団体は次のとおり。

  1. CCRM Australia(本社・オーストラリア):再生医療の商業化のボトルネックに対処するために活動する非営利団体。
  2. Immugenia(本社・カナダ):がん治療と再発予防のために造血幹細胞エンジニアリングにより、CAR(キメラ抗原受容体)療法への新しいアプローチを開発している企業。
  3. InvivoSciences(本社・米国):3D操作マイクロヒト心臓組織プラットフォームを含む、患者由来および遺伝子編集されたヒトサンプルを導入することにより、医薬品開発プロセスの個別化を実現する企業。
  4. OxiWear(本社・米国):活動中でも酸素濃度を常時計測し、心血管疾患が引き起こすサイレント低酸素症の防止に資するデバイスを開発する企業。
  5. ProteinQure(本社・カナダ):非標準アミノ酸を用いて細胞外受容体を標的とするペプチドを開発し、その設計のための計算プラットフォームを構築する企業。

(田辺千恵子、大林芳子)

(日本、米国、カナダ、オーストラリア)

ビジネス短信 d3db4c8a3b5da642