上半期の輸出入は前年同期比増、対米輸出・対中輸入が大幅伸長

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年07月15日

ベトナム税関局が発表した速報値によると、2025年上半期(1~6月)の輸出は2,198億6,101万ドル(前年同期比14.5%増)、輸入は2,121億9,688万ドル(17.9%増)で、輸出入ともに前年同期を上回った。貿易収支は76億6,413万ドルの黒字だった。

主要国・地域別にみると、輸出は1位の米国が709億1,388万ドル(前年同期比28.2%増)、2位の中国が291億2,174万ドル(4.2%増)、3位の韓国が137億3,672万ドル(11.9%増)だった(添付資料表1参照)。上位10カ国・地域の全てで輸出額は前年同期を上回った。

輸入は、1位の中国が846億9,951万ドル(前年同期比26.4%増)、2位の韓国が283億5,703万ドル(同5.5%増)、3位の台湾が147億7,470万ドル(同43.0%増)だった(添付資料表2参照)。

輸出を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は電話機・同部品、3位は機械設備・同部品だった(添付資料表3参照)。このうち、コンピュータ電子製品・同部品は前年同期比40.0%増の476億8,816万ドル、そのうち米国向けが38.8%を占めた。

輸入は、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が織布・生地だった(添付資料表4参照)。

ベトナムと米国は2国間貿易協定の交渉が合意したことが発表され(2025年7月3日記事参照)、ベトナムからの対米輸出品に20%、第三国からの積み替え品には40%の関税が課される見通しだが、積み替え品の定義や基準などはまだ明らかにされていない。他国の関税率や積み替え品の定義によっては、ベトナムの輸入全体のシェア4割を占める中国からの部材調達を含め、サプライチェーン全体に影響が出る可能性もあり、今後の貿易への影響は不透明だ。

米国向けの輸出を主要品目別にみると、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が縫製品だった(添付資料表5参照)。1位のコンピュータ電子製品・同部品は前年同期比64.9%増と大きく増加しており、米国による相互関税導入の停止期間中に受注を前倒しで出荷する駆け込み輸出が発生したとみられる。

中国からの輸入を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は織布・生地だった(添付資料表6参照)。1位のコンピュータ電子製品・同部品は前年同期比46.2%増、2位の機械設備・同部品は35.2%増で、中国から部品などの調達も大幅に増えた。

(小林真龍)

(ベトナム)

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