中国、2025年上半期のGDP成長率は前年同期比5.3%
(中国)
北京発
2025年07月25日
中国国家統計局は7月15日、2025年上半期(1~6月)の実質GDP成長率は前年同期比5.3%だったと発表した(注1)。
上半期の主要経済統計をみると(添付資料表参照)、消費(社会消費品小売総額)は前年同期比5.0%増と、第1四半期(前年同期比4.6%増)から改善した。商品小売額は5.1%増、飲食業収入は4.3%増、ネット上の小売額は8.5%増とそれぞれ堅調だった。
商品小売額の前年同期比の伸び率を業種別(注2)にみると、消費財の買い替え支援策(「中国の設備更新と消費財買い替え推進政策の最新動向」特集参照)の効果もあり、支援策の対象品目を含む業種である家電・音響機材(30.7%増)、文化・事務用品(25.4%増)、通信機器(24.1%増)、家具類(22.9%増)がそれぞれ20%を超える増加となった。その他、体育・娯楽用品が22.2%増、食糧・油・食品が12.3%増、金・銀・宝石が11.3%増と2桁の伸びを示した。
投資(固定資産投資)は前年同期比2.8%増と、第1四半期(前年同期比4.2%増)から減速した。インフラ投資は4.6%増だったが、民間投資は0.6%減と減速した。製造業投資は7.5%増と堅調だった。不動産開発投資は11.2%減、外資系企業の投資は13.6%減と依然としてマイナスが続いている。
工業生産増加額(付加価値ベース、注3)は、前年同期比6.4%増だった。製品別では、3Dプリンター(43.1%増)、新エネルギー車(36.2%増)、産業ロボット(35.6%増)が高い伸びとなった。
生産設備稼働率は74.0%と、第1四半期から0.1ポイント低下した。業種別では、石油・天然ガス採掘業が91.7%、化学繊維製造業が86.0%と高い水準だった。一方で、食品製造業は69.2%、非金属鉱物製品業は61.6%と低い水準にとどまった。
上半期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比マイナス0.1%だったが、6月単月では4カ月連続の減速から転じて0.1%のプラスとなった。国家統計局は工業消費財価格の回復が要因と解説した。
国家統計局は上半期の経済状況について、「様々な困難や圧力に耐え、全体として安定的に推移し、改善傾向にある」と説明した。盛来運副局長は記者会見で、関税政策による中国経済への影響に対する対応策についての質問に対し、「国内大循環の強化と経済の安定成長を推進する上で、財政政策による支援を強化するとともに、ハイレベルの対外開放を推進し、貿易の多元化を進め、単一市場への依存リスクを減らす」と回答した。
(注1)第2四半期(4~6月)は前年同期比5.2%、前期比1.1%だった。2025年の経済成長率の政府目標は5.0%前後としている(2025年3月6日記事参照)。
(注2)年間売上高2,000万元(約4億円、1元=約20円)以上の卸売企業、500万元以上の小売企業、200万元以上の宿泊・飲食業企業が対象。
(注3)年間売上高2,000万元以上の工業企業が対象。生産設備稼働率も同様。
(蔣春霞)
(中国)
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