米アリゾナ州、航空宇宙・防衛分野のイノベーション促進の官民パートナーシップ発表
(米国)
ロサンゼルス発
2025年07月09日
米国アリゾナ州のアリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority、ACA)は7月8日、サウスウエスト・ミッション・アクセラレーション・センター(SW MAC、注)と提携し、防衛イノベーション・アリゾナ・オフィス(ODI)を開設することを発表した。同州の航空宇宙・防衛分野のリーダーシップを強化する新たな官民パートナーシップとして、新興のデュアルユース(軍民両用)技術の発展を促進し、米国防総省のミッションの拡大を支援するという。
ODIは同州で2026年度予算が成立したことを受けて、ACA内に設置された。州政府機関、防衛関連事業者、教育機関、イノベーターと国防総省間の連携を強化するための重要拠点とされる。ODIの重点分野として、航空宇宙・防衛、デュアルユース技術、国防総省ミッションの拡大の3点が挙げられており、同州が誇る世界トップクラスの人材、研究機関、業界リーダーを活用し、イノベーションのための強固なエコシステム構築に向けた取り組みが効率化されることが期待される。また、防衛関連企業に新たな機会を創出し、州全体で高賃金・高技能の雇用を創出することを目指している。
ケイティ・ホッブス知事(民主党)は「アリゾナ州は世界的な産業界のリーダーと他に類を見ない軍事施設を有し、国防能力の最前線に立っている」とコメントし、同州でODIが機能することで国家安全保障の飛躍的進歩に貢献することを強調した。また、SW MACのドリュー・トロヤノウスキー最高経営責任者(CEO)は「官民のリソースを連携させることで、アリゾナ州は防衛イノベーションと技術開発で国家のリーダーとしての地位を確立している。ODIが、部門横断的な連携促進や同州が次世代防衛能力の実証の場となる上で重要や役割を果たすだろう」とコメントしている。
(注)米国防総省の5カ所のアクセラレーションセンターの1つで、国防総省の調達の玄関口として、同省と国家安全保障上の課題解決に資する製品を有するスタートアップ企業、学術機関、ベンチャーキャピタルなどをつなぐ役割を持つ。
(堀永卓弘)
(米国)
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