水資源危機への対応強化、テヘラン州に祝日設定

(イラン)

テヘラン発

2025年07月24日

イランのマースード・ペゼシュキヤーン大統領は7月20日、水資源管理に関する会合で「水資源の管理や利用計画に加え、過剰消費への対策も必要だ」と述べた。特に首都テヘランの飲料水供給不足に触れ、「現状の水資源危機を深刻に受け止め、使用形態の見直しを含む抜本的な対策が求められる」と強調した。

また、テヘランの都市開発で水資源の不均衡を考慮する必要性を訴え、「用水路や排水路整備など、水利産業による無計画な開発は認めるべきではない。過剰消費を放置すれば、地域全体が深刻な水危機に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らした〔7月20日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

これを受けて、政府報道官のファテーメー・モハジェラーニ氏は7月21日、X(旧Twitter)上で「猛暑と水・電力消費の抑制を目的として、7月23日(水)をテヘラン州の祝日とする」と発表し、国民に対して「小旅行や家族との時間を過ごす機会として活用しつつ、エネルギー節約を心がけてほしい」と呼びかけた(7月21日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

同氏は22日の記者会見で「政府としては閉鎖を望んでいないが、水消費管理の観点から必要と判断されれば、政府機関を閉鎖する可能性もある」と述べた(7月22日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

一方、テヘラン州のモハンマドサデグ・モータメデイアン知事は、同州が直面する水資源の課題について「降雨量の急減、気候変動、異常な気温上昇が主因で、5年連続の干ばつに見舞われている。過去60年間で前例のない事態だ」と指摘した。

また、同知事は国民の節水意識の向上を求め、「1人当たりの標準的な水使用量は1日130リットルだが、テヘランでは住民の62%がこの2倍を消費している。20%の節水が実現すれば、年間3億2,000万立方メートルの水資源を確保できる」と述べた(7月23日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(マティン・バリネジャド)

(イラン)

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