上半期の自動車生産、輸出、販売が好調

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2025年07月25日

アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)は6月30日、同月の自動車販売(新車登録)台数が前月比7.0%減、前年同月比で69.0%増の5万1,312台だったと発表した(添付資料図1参照)。上半期(1~6月)累計では、前年同期比78.2%増の32万,195台に達し、過去7年間で最も高い水準となった。

ACARAのセバスティアン・ベアト会長によると、2024年末から自動車の需要が高まり、かつ安定している。消費者にとって非常に有利な自動車ローンが組めることや、奢侈(しゃし)税の引き下げ(2025年2月6日記事参照)が需要増加の要因となった。また、2025年は年間販売台数65万台の達成を目指すことに加え、2026年も好調が維持されることを期待すると語った。

上半期のブランド別販売台数(乗用車と小型商用車)では、フォルクスワーゲン5万2,825台、トヨタ5万2,677台で、両ブランドがそれぞれ全体の17.1%を占めている。第3位のフィアットは4万2,707台で13.8%を占めた。モデル別の販売台数では、プジョー・208、フィアット・クロノス、トヨタ・ハイラックスが上位だった。

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)が発表した6月の生産台数(大型トラック、バスを除く)は前月比10.9%減、前年同月比33.8%増の4万2,848台だった(添付資料図2参照)。上半期の累計生産台数は前年同期比15.6%増の25万478台だった。

他方、6月の輸出台数は前月比13.6%減、前年同月比9.0%増の2万2,760台だった(添付資料図3参照)。上半期の累計輸出台数は、前年同期比2.2%増で12万9,654台に達した。累計輸出台数を仕向け地別にみると、全体の65.7%を占めるブラジル向けは前年同期比2.5%減少したが、ペルー、中米、チリ向けなどが増加した(添付資料表参照)。

ADEFAのマルティン・ズッピ会長は、上半期は生産、輸出、販売が好調だったが、輸出台数の鈍化は、仕向け先市場での競争の激化に加え、新規市場へのアクセスに関する課題によると説明した。国内市場の好調については、政府が進める税金引き下げや輸入規制の撤廃が後押ししているとし、今後は輸出向けの競争力の向上に努めたいと述べた。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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