万博の健康テーマウィークに合わせブルガリアのヘルスケア・ビジネスミッション団が来阪、イベントを開催
(日本、ブルガリア)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年07月02日
ブルガリア中小企業振興庁は6月26日、大阪・関西万博の「健康とウェルビーイング」テーマウィークに合わせて、ブルガリアのビジネスミッション団が来日したことに伴い、同国パビリオンで医療分野のセミナー・交流イベントを開催した。ブルガリアのヘルスケア産業に関する紹介があったほか、同国の医薬品、医療機器、デジタルヘルスなどの分野の企業15社がプレゼンテーションを行った。
セミナー前半部では、今回来日したミッション団より、ブルガリアのヘルスケア産業の特徴と強みに関する説明が行われた。特徴の1つ目は、デジタルヘルス産業だ。ブルガリアではデジタルヘルス分野の産業クラスターが2018年に形成されており、100以上のメンバーが加入、183のヘルステック・スタートアップが活動している。2020年から国家保健情報システムが立ち上げられ、医療情報の電子化が進展しており、2025年4月時点で医療文書5億2,000万件、処方箋8,000万件、紹介状8,000万件などが電子登録されている。これを支えているのが、ブルガリアの強みである情報通信技術(ICT)産業とインフラだ。ICT産業は同国GDPの12%を占める主要産業で、これにより行政の電子化も進んでいる。
ブルガリアのヘルスケア産業に関する説明の様子(ジェトロ撮影)
2つ目は、臨床試験数の多さと施設基盤が整っている点だ。ブルガリアは人口650万ながら、国際的な臨床試験の実施件数が多い。国内に135の臨床研究業務受託機関があり、1,000カ所以上の臨床試験センターが設置されている。年平均1万2,000人に対して治験がなされ、毎年平均200件の新規臨床試験が実施されている。また、医学分野の国際人材育成にも力をいれており、英語で学べる医学部プログラム6つがあり、毎年9,000人の医学生を輩出していると述べた。
イベントの後半には、医薬品、健康・自然食品、化粧品、医療機器・器具などのメーカーや、医薬品受託製造会社、人工知能(AI)を含むデジタル技術を活用した臨床試験・データ管理を行うブルガリアの企業15社が、自社事業の紹介と今回の訪日目的や日本企業との提携内容(販売先、ライセンス提供先、製造協力先、共同研究先、技術支援先、投資家の探索など)についてプレゼンテーションを行った。
プレゼンテーションを行うブルガリア企業(ジェトロ撮影)
なお、ブルガリアパビリオンでの交流イベントはこれまでにも実施されており、6月6日には同国のアパレル・ファッション・ミッション団およびプロバイオティクス企業が来日したことに伴い、同様に企業交流会が開催された。
(齋藤寛)
(日本、ブルガリア)
ビジネス短信 b9c0d7ff64f31179