大阪・関西万博でエチオピアミッション団来日、貿易投資フォーラム開催

(日本、エチオピア)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年07月02日

在日エチオピア大使館は6月25日、大阪・関西万博を契機に40人以上のミッション団が来日した機会を捉え、大阪で「エチオピア日本貿易投資フォーラム」を開催した。

ダバ・デベレ・フンデ駐日エチオピア大使はあいさつで、エチオピアの概況と日本との関係について次のように説明した。

「エチオピアはアフリカで最も古い国の1つで、文化多様性があり、独自の言語(アムハラ語)や宗教、伝統を有するほか、アラビカ種コーヒー豆の発祥地でもある。両国関係は長く、名誉領事館を大阪に設立したのは1933年とほぼ1世紀前だ。2023年8月に林芳正外相(当時)がエチオピアを訪問し、翌2024年4月には東京で政策対話を実施し関係強化を図った。エチオピア政府は近年、経済改革や市場アクセスの拡大、インフラ整備、起業家支援を行い、投資環境整備に努めている。エチオピアはアフリカにおける航空物流の中心地で、豊富な若い労働力や天然資源を有するなど、外国投資家にとって魅力的だ。日本企業では住友商事、TOPPAN関連会社、JTインターナショナルなどが事業展開し、スタートアップも進出している。日本は経済の基盤となる地域平和にも貢献しており、エチオピア北部の平和構築への支援は、結果的にエチオピアの経済成長につながっている。日本による手厚いサポートに深くお礼申し上げる」

写真 ダバ駐日大使によるスピーチ(ジェトロ撮影)

ダバ駐日大使によるスピーチ(ジェトロ撮影)

ジェトロ大阪本部海外ビジネス推進課の野澤拓郎主幹は、エチオピア政府が2025年1月や3月、5月に現地で展示会やセミナーを実施し、日本とのビジネス構築に高い熱意を持っていると指摘した。ダバ駐日大使が述べたような投資環境改善の取り組みに加え、エチオピア政府は海外事業者によるコーヒー豆輸出を促進していると述べた。その上で、昨今、世界の不安定化・ブロック経済化が懸念されるが、日本は引き続き国際社会と協調して自由貿易を推進していくとし、エチオピアにとっても開かれた市場だと述べた。2025年8月に開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)においては、展示スペースを製品や技術の紹介に活用してほしいと呼びかけた。

このほか、工業団地開発公社(IPDC)のゼメ・ジュネディ・アブベケ副総裁が投資環境と経済特区について説明し、貿易・地域統合省の代表者が両国の貿易投資関係の現状と展望について語った。

写真 エチオピアコーヒーがふるまわれたネットワーキング交流会の様子(ジェトロ撮影)

エチオピアコーヒーがふるまわれたネットワーキング交流会の様子(ジェトロ撮影)

(齋藤寛)

(日本、エチオピア)

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