「諏訪圏工業メッセ2025」にインド視察団をジェトロ招聘、日本の精密産業に注目

(日本、インド)

諏訪発

2025年07月04日

ジェトロは、長野県岡谷市で6月26~28日に開催された国内最大規模の工業専門展示会「諏訪圏工業メッセ2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」にインドからの視察団を招聘(しょうへい)し、セミナーやビジネス相談会を企画・実施した。インドと日本のビジネス交流促進を図る団体の5人の視察団メンバーは、各企業の担当者から製品や技術の特徴を聞きながら出展ブースを視察し、諏訪地域が誇る最先端の精密工業機械への知見を深めた。

視察団による「なぜこれからインドを目指すべきなのか」と題した特別セミナーには、日本とインド関係のコンサルタント、インド・ジャパン・ビジネス・カウンシル(IJBC)顧問の磯貝富夫氏と、IJBC会長のデシュムク・シッダールタ氏が登壇した。磯貝氏はインドの経済成長や日印関係の良好さを挙げながら、日本とは異なるインドのルールや規制、社会性と価値観などを紹介し、長期的な視点でインド人との信頼関係を構築する重要性を指摘した。シッダールタ氏はインド各地の産業構造や特性、インド政府の企業支援策などを分析し、日本企業がインドに進出する際の注意点について説明した。

セミナーには37人が参加し、「インドに対してポジティブな見方ができるようになった」などのコメントが寄せられた。

写真 シッダールタ会長が登壇したセミナー(ジェトロ撮影)

シッダールタ会長が登壇したセミナー(ジェトロ撮影)

ビジネス相談会では、視察団メンバーと企業10社との個別相談会が行われた。企業の参加動機は、「インド進出が決まっているが、これからの具体的な動向に関し、アドバイスをもらいたい」「IJBCなどインドと日本を橋渡しする企業・団体について知りたい」など多岐にわたり、制限時間いっぱいまで活発な意見交換が行われた。うち1社からは、「インドビジネスの課題を把握し、長期的な視点でビジネスを進めていくことが必要だとわかった」との声が聞かれた。

写真 ビジネス相談会の様子(ジェトロ撮影)

ビジネス相談会の様子(ジェトロ撮影)

諏訪圏工業メッセは、ものづくりが盛んな諏訪地域の切削やプレス、電子、金型など、独自性と特色ある超精密・微細加工技術を国内外に発信するイベントとして、2002年から開催されている。今回は24回目で、2024年に比べて諏訪地域以外からの出展が増加した。計340社の団体・企業が参加し、総入場者数は1万5,039人を記録した。次回は2026年10月に開催される予定だ。

(荒井慎哉、横島健太朗)

(日本、インド)

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