ドイツ連邦研究・技術・宇宙省、国内ゲーム産業に対する支援策を4倍に拡大

(ドイツ)

ミュンヘン発

2025年07月28日

ドイツ連邦研究・技術・宇宙省(BMFTR)は7月18日、ゲーム産業はドイツの重要な成長・イノベーション産業であるとし、ゲーム産業における技術開発の他産業への波及効果などを狙い、同産業向け支援策を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

BMFTRによると、今回の支援策は既存の4倍の規模となり、ゲーム開発プロジェクト1件当たり最大800万ユーロが補助される。助成を申請するにあたってのプロジェクト最低規模は30万ユーロとなる。また、数年にわたるプロジェクトも支援策の対象となる。ドイツ連邦政府は2023年5月、財源不足によりゲーム開発に対する支援策を中止した。2024年12月末に支援策は再導入されたものの、助成額は最大200万ユーロにとどまっていた。他方、複数の報道によると、ドイツ連邦政府は2025年に約8,800万ユーロ、2026年は約1億2,500万ユーロをゲーム産業に拠出する計画だ。

ドロテー・ベア連邦研究・技術・宇宙相は、「ゲームはドイツにとって重要な成長・イノベーション産業だ」としたうえで、「業界に信頼される支援策によりドイツの国際競争力を高める」とコメントした。特にゲーム産業における、(1)シミュレーション、(2)3次元画像、(3)仮想現実(VR)、(4)拡張現実(AR)などの技術開発は、他の産業にも貢献することが期待されている。実際に、VR技術を使った運動機能や認知能力を高めるためのリハビリテーションプログラムが開発されている。

ドイツゲーム産業連合会(game)の統計では、2025年の国内ゲーム関連会社は合計910社、2024年のゲーム関連売上高は94億500万ユーロ(前年比6%減)だった。ドイツは欧州最大のゲーム市場となっているが、ドイツのゲーム関連売上高のうち、ドイツのメーカーによるシェアは5%未満にとどまっている(ドイツ公共放送ARD「ターゲスシャウ」2024年5月10日)。

BMFTRによる支援策への申請は8月1日から可能。プロジェクト開始は早くとも10月1日となる。

(クラウディア・トーディ)

(ドイツ)

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