2025年度予算中間見直しを発表、財務状況改善に一定の評価

(ガーナ)

アクラ発

2025年07月31日

ガーナのカシエル・アト・フォーソン財務相は7月24日、公共財政管理法に基づき、2025年度中間予算見直し(2025年6月末までの半年)を議会に提出した。2024年12月末にはインフレ率が前年同月比23.8%に達していたが、2025年6月末には13.7%へと大幅に低下。通貨ガーナ・セディも、2024年12月末比で、ドルに対して42.6%、英ポンドに対して30.3%、ユーロに対して25.6%上昇した。2024年6月には、2023年12月末から 対ドルで18.6%下落していたため、大きな反転だ。

外貨準備高は、金とカカオの輸出増加の影響で、2024年12月の89億8,000万ドル(輸入カバー月数4カ月)から、2025年6月には111億2,000万ドル(同4.8カ月)に増加。貿易黒字も、2025年6月には前年同月比で4.1倍の55億7,000万ドルに達した。

公的債務は、2024年末の7,267億ガーナ・セディ(約10兆1,738億円、1ガーナ・セディ=約14円)から2025年6月末には6,130億ガーナ・セディに削減され、債務残高のGDP比も2024年末の61.8%から2025年6月の43.8%へと低下した。

全体として、財政規律の強化と経済安定化への取り組みは成果を上げており、特にインフレ抑制と外貨準備高の増加は注目すべき改善点だ。一方で、金とカカオの国際相場の影響が大きかったとして、根本的な解決となっているのか、と疑問の声も上がっている。2025年7月7日には、拡大クレジットファシリティー(Extended Credit Facility、ECF)に基づく5回目の融資がIMF理事会で承認され、3億6,700万ドル(累積支払総額23億ドル)の融資が実行される。次のレビューは2025年9月に予定されており、今後の債務管理にはより慎重な対応が求められている。

(中川翼)

(ガーナ)

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