ドイツ光学産業見本市で浜松企業が技術力アピール

(日本、ドイツ)

ミュンヘン発

2025年07月07日

ドイツ南部のミュンヘンで6月24日から27日まで、国際レーザー・オプトエレクトロニクス応用技術専門見本市「Laser World of Photonics 2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。1973年から開催されている同見本市には今回、74カ国から約4万4,000人が来場、出展者は41カ国から過去最高の1,398社となった。日本からの直接出展は約40社で、ジャパンパビリオンが2つのホールに分かれて設置された。日本以外には、中国、米国、英国などがパビリオンを構えた。また、日本からの来場者数はドイツを除いた国別で7位だった。

今回の見本市では、バイオフォトニクス(医療への光学技術活用)、データトランスミッション、オプトエレクトロニクス、品質管理、センサーなどが主要テーマとして設定され、会場内のステージや併催カンファレンスにおいて各分野の研究開発動向や企業の先進事例の発表とディスカッションも行われた。

ジェトロは、浜松市の光学産業の支援機関フォトンバレーセンターと共にジャパンパビリオン内に出展し、浜松や名古屋などの5社・1機関の商談支援を行った。出展企業は、ブースでの商談のほか、連携・協業先の模索や販路拡大のため他の出展者を積極的に訪問した。また、ドイツの応用研究機関フラウンホーファーやドイツ・チューリンゲン州の光学・フォトニクス分野の広域ネットワーク組織OptoNetと意見交換を行い、医療・機械分野における光技術やドイツとのビジネス動向について情報収集した。

ジェトロのブースに出展した名古屋工業大学発のスタートアップ、スリーラボの夏目航平代表取締役は「欧州の展示会へは今回が初参加となったが、日本と共通する技術的課題が見いだされ、学びの機会となった。また、当社技術に関心を示す企業も見られ、海外市場における販路開拓の可能性を強く感じた。展示会の規模は日本国内のものと比較しても大きく、光分野に対する欧州の関心の高さがうかがえた」と語った。

独自出展の日本企業からは、「光学分野全般をカバーする欧州の見本市は他になく、新規顧客開拓のため毎回出展している」「米国関税の先行きが見えない中で、欧州企業からの具体的な引き合いが多く、欧州の目が日本企業に向いていると感じる」などの声が聞かれた。

写真 ジェトロ・フォトンバレーセンターブースへの来訪者(ジェトロ撮影)

ジェトロ・フォトンバレーセンターブースへの来訪者(ジェトロ撮影)

(杉山希実、鷲澤純)

(日本、ドイツ)

ビジネス短信 a9a583bd741c3085