上半期の貿易総額は過去最高更新、日本との貿易は輸出入ともに増加

(中国、日本)

北京発

2025年07月29日

中国海関総署(中国税関)の7月14日の発表によると、2025年上半期(1~6月)の貿易総額は前年同期比1.8%増の3兆320億ドル、うち輸出は5.9%増の1兆8,090億ドル、輸入は3.9%減の1兆2,230億ドルだった。人民元建てでは、貿易総額は前年同期比2.9%増の21兆7,876億元(約448兆8,246億円、1元=約20.6円)と20兆元を超え、上半期として過去最高を更新した。うち輸出は7.2%増の13兆元で、上半期では初めて13兆元を超えた。一方で、輸入は2.7%減の8兆7,875億元だった。

2025年上半期の貿易額を中国の主要な貿易相手国・地域別にドルベースでみると(添付資料表参照)、輸出では、1位のASEANと2位のEU向けはそれぞれ前年同期比13.0%増、6.6%増だった。3位の米国は関税引き上げなどの影響もあり、2桁減(10.9%減)となった。輸入では、1位のASEANと3位の台湾はそれぞれ1.1%増、12.5%増だったが、2位のEUは5.9%減だった。日本との貿易では、輸出が4.8%増、輸入が0.1%増と、輸出入ともに前年同期比で増加した。

主要品目別の貿易額を見ると、輸出は食糧が26.2%増と伸びたほか、肥料、集積回路、船舶が2桁増だった。他方、レアアースは25.3%減となったほか、石油製品、中薬材および中成薬、鞄および類似容器が2桁減だった。輸入では、航空機(注)が71.2%増と好調だったほか、自動データ処理機械(PCなど)およびその部品が55.2%増、天然ゴムおよび合成ゴム(ラテックスを含む)が48.2%増と大幅に増加した。一方、自動車(シャーシを含む)が37.9%減、石炭および褐炭が32.1%減、食糧が27.0%減、石油製品が24.5%減、自動車部品が23.4%減と、2割以上の減少だった。

海関総署は同日の記者会見で、2025年上半期の輸出が増加した要因として、完備した産業システムが輸出を下支えしたことや、科学技術と産業のイノベーションの深い融合が輸出の伸びを牽引したこと、常に高い品質でグローバル市場のニーズに対応していることが本質的な要因と解説した。輸入が減少した要因については、国際貿易政策の不確実性と、大口商品の価格下落など多くの要因によるものと解説した。

商務部国際貿易経済合作研究院の彭波研究員は2025年上半期の輸出入について、市場多角化戦略の効果が顕著に表れているとした上で、イノベーションとハイテク技術が輸出の競争力向上に重要な役割を果たしたと分析した(「21世紀経済報道」7月15日)。

(注)非積載状態の重量が2トンを超える航空機を指す。

(蔣春霞)

(中国、日本)

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