国家予算案策定の進捗報告書を国会に提出、2026年度も財政均衡を継続

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2025年07月23日

アルゼンチン政府は7月3日、2026年度国家予算案の策定に係る進捗報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを国会に提出した。政府はこの中で、2026年の国家予算と国家運営の方向性を示すとともに、2025年の主要マクロ経済指標の政府予測値を明らかにした。

ハビエル・ミレイ政権は、2023年12月の発足以降、マクロ経済の安定化と経済構造改革の2つを大きな柱とする経済政策を実行してきた。政府は、安定的で予測可能なマクロ経済と民間企業の自由な活動を担保するビジネス環境の改善は、投資の呼び込み、輸出の拡大に不可欠であり、この方向性を2026年度も維持するとしている。

ミレイ政権下で歳出が激減している公共投資については、引き続き民間のイニシアチブを重視しつつ、道路と鉄道網の整備を公共投資の優先分野とし、新規プロジェクトについては、雇用創出、輸出促進、エネルギー収支の改善、技術開発促進に資する案件を優先する方針を掲げた。

2025年のマクロ経済指標については、実質GDP成長率は前年の反動増もあり5.5%の高成長を予測(添付資料表参照)。財とサービスの貿易収支は、輸入が急増する一方で輸出は微増にとどまり、貿易収支黒字が前年の169億100万ドルから 49億1,300万ドルに急減するとしている。一方、消費者物価指数上昇率は22.7%、自国通貨ペソの対ドル為替レートも1ドル=1,229ペソと、これまでと比べて安定すると予測している。

本報告書を基に作成された国家予算案は9月15日までに国会に提出され、その後、国会で審議される。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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