NYで北米東海岸最大規模の食品見本市が開催、ジャパンパビリオンに日本の34社・団体出展
(米国)
ニューヨーク発
2025年07月09日
北米東海岸で最大規模の高級食品関連見本市「サマー・ファンシー・フード・ショー2025」が6月29日~7月1日、ニューヨーク(NY)市内のジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで開催された。同見本市は世界的な情報の発信地NYで開催されることから、国内外で知名度が高く、世界各地から毎年多くのバイヤーが訪れる。今回は2,479の企業・団体が出展した。
「サマー・ファンシー・フード・ショー2025」の入場口(ジェトロ撮影)
ジェトロが会場内に設置したジャパンパビリオンでは、日本の34社・団体が茶や牛肉、調味料類、菓子類、その他加工品など多岐にわたる日本産食品を出品した。
ジャパンパビリオンの来訪者(ジェトロ撮影)
また、コメの品目団体の全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(全米輸)がパビリオンを設置し、18社がパックご飯を含むコメのほか、米菓、日本酒など日本産の米関連商材を出展し、多くの来場者の関心を集めていた。
全米輸パビリオンの来訪者(ジェトロ撮影)
ジャパンパビリオンには、輸入商社や卸売業者、小売業者、レストランなどの食品産業関係者が多数訪れた。バイヤーからは日本産食材などについて、次のようなコメントが寄せられた。
- 日本産食材は「健康的、おいしい、高品質、商品がバラエティーに富んでいる」イメージがある。
- 米国市場向けのパッケージは工夫した方がよい。また、食品の安全性やサステナビリティー、健康志向に関する認証なども取得しアピールすることが重要。
- 米国での流通を拡大する場合は、小売りやレストランなどの通常の商流はもちろんだが、ECサイトでの販売など、より多くの販売方法を目指す必要がある。こういった見本市にできるだけ参加し、ネットワークを広げていくことも重要。
ジャパンパビリオンの出展者からは、大きな手応えを得たとの声が多く、具体的には次のようなコメントが寄せられた。
- この見本市に出展するのは初めてだったため、米国食品医薬品局(FDA)への登録や物流構築など準備が大変だったが、おかげで一気に体制が整った。今後、継続的に見本市に出展し、中長期的に米国の商流開拓に取り組んでいきたい。
- 米国市場ではまだなじみがなく、競合が少ないと思われる商品を持ってきた。商品の強みを生かしながら米国展開できるよう、新たな需要の創出を図っていきたい。また、日系向けの販売のみでは限界があるため、米系の主要な商流に入り込めるよう展開を考えたい。
- 特に米系商流のバイヤーとのやり取りでは、商談後の丁寧なフォローや、その後もレスポンスの速さが重要だ。米系商流に入るに当たっては、この見本市のような場所を通じてバイヤーと話を始めてから、実際に商品を輸出できるまでに商品スペック、パッケージの変更など、バイヤーとさまざまな擦り合わせ作業がある。根気強く商流を広げていきたい。
- 実際に現地に来てネットワークをつくることの重要性を感じた。また、バイヤーとの連絡先交換はもちろんだが、米国進出済みの日系企業との交流や、他国パビリオンの視察で学ぶヒントなど、実践的な経験となった。
今回の見本市を機に、ジャパンパビリオン出展者の取引拡大、さらには米国への日本産食材の輸出拡大につながることが期待される。
(大西理世)
(米国)
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