国際医療会議GHeC、万博の健康テーマウイークに合わせ、大阪で初開催

(日本、デンマーク、オランダ、スイス、英国)

海外展開支援部販路開拓課

2025年07月14日

ジェトロと経済産業省は6月25~26日、国際医療会議「グローバルヘルスケアチャレンジ(Global Healthcare Challenge:GHeC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を大阪市内ホテルで初めて開催した。国内外の医療関係者やスタートアップ、政策立案者ら約500人が参加した。ヘルスケア分野の国際連携とイノベーション創出を目的に、講演とビジネスコンテスト、商談などが活発に行われた。

このイベントは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「健康とウェルビーイング」テーマウイークの機会を捉え、大阪市内で開催される国際見本市「ジャパンヘルス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」、万博会場内の「ヘルスデザイン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」と併催した。

基調講演で、デンマークのソフィー・レーデ内務・保健相は「今後のヘルスケア産業の展望」について言及した。また、オランダのバーバラ・ゴエチネ保健副大臣は「医療人材不足や高齢化の課題に対応するため、オランダ政府が進める統合的ケアの取り組みと官民連携・国際協力がより一層に重要となってくるだろう」と訴えた。さらに、「ヘルスケア・エコシステムの形成」や「高齢化社会における医療イノベーション」「未来における女性の健康の姿」などをテーマに、米国ボストンコンサルティンググループ(BCG)元マネジングディレクターのマイケル・リンゲル氏や、カリフォルニア大学サンディエゴ校のウリケ・シャーデ教授をはじめとする国内外の産学官の専門家が登壇した。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

ピッチコンテストでは、世界各国350社以上から選定されたスタートアップ20社が登壇し、グローバルな健康課題解決に寄与できる革新的な技術・サービスを訴求した。人工知能(AI)を用いた胃がん診断サービスを提供するAIメディカルサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(日本)、重度の神経疾患に対する低侵襲の脳インターフェースを開発するニューロソフト・バイオエレクトロニクス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(スイス)、AIを活用した予防型の健康・生活の質向上ソリューションを提供するシドライフAI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英国)がそれぞれ、経済産業大臣賞、ジェトロ賞、大阪府知事賞を受賞した。ヘルスケア分野で世界的に著名な6人の審査員からは「今回のピッチで登壇したスタートアップの多くはAIを活用し、ヘルスケア分野の課題を解決し得る技術・サービスの提案があり、素晴らしい内容だった。特にデジタルツイン(注)は今後、人々の健康に大いに寄与するだろう」などとコメントが寄せられた。

(注)「デジタルツイン」とは、現実世界の物体やシステム、人間などを仮想空間上に再現したデジタルモデルのこと。リアルタイムでの状況把握、シミュレーション、予測、最適化などが可能になることが予想される。

(田中大也、小池裕之)

(日本、デンマーク、オランダ、スイス、英国)

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