ジンバブエが大阪・関西万博を機にフォーラム開催、大統領も参加

(ジンバブエ、日本)

調査部中東アフリカ課

2025年07月18日

ジンバブエ政府は7月15日、同国の投資機会をテーマにした200人規模のビジネスフォーラムを大阪で開催した。同フォーラムは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の16日の同国ナショナルデーに先行して開催したもので、エマーソン・ムナンガグワ大統領をはじめ、関係省庁の大臣も参加し、日本側からは山中晋一駐ジンバブエ大使があいさつのため登壇した。

ジンバブエ投資開発庁(ZIDA)のタファズワ・チナモ長官は、設備投資の拡大や経済特区の設立などを通して、大規模投資に向けた環境整備を行っていると述べた。

バーバラ・ルウォズィ観光・ホスピタリティー産業相は、ジンバブエを訪れる外国人観光客は年間160万人で、経済効果は12億ドルに上ることを紹介し、国内各地の観光経済特区への投資を呼びかけた。また、南アフリカ共和国、ナミビアとクリケットワールドカップを2027年に共同開催するのに合わせ、国際スタジアムを建設する予定とし、スポーツツーリズムの機運が高まっていると述べた。

ジンバブエ鉱業会議所(COMZ)のアイザック・クウェス会長は、同国ではクロムやニッケル、タンタル、リチウムなど希少鉱物のほか、白金属など約60種類の鉱物資源を産出し、新規鉱山の開発やマーケティング、採掘機械供給などに投資機会があるとした。そのほか、関連するインセンティブとして次を紹介した。

  • 鉱床探査に関する輸入物品の関税還付と、鉱山の操業に関する輸入物品の関税免除
  • 1億ドルを超える投資に対して許可される特別鉱業リース(Special Mining Lease、SML)の場合、通常25%の法人所得税(CIT)を15%に引き下げる優遇措置
  • 資本設備を輸入した際の付加価値税(VAT)納付を90日間猶予
  • 油田探査や石油生産に使用する輸入物品の関税還付
  • 配当金の送金、投資撤退に関する制限の撤廃
  • ジンバブエへの外貨持ち込みに関する制限の撤廃

ムナンガグワ大統領は、ジンバブエが持つ豊富な鉱物資源やローカルバリューチェーン、労働力を強調し、農業インフラやテクノロジーの分野で日本との協力に期待を示した。

写真 スピーチするエマーソン・ムナンガグワ大統領(ジェトロ撮影)

スピーチするエマーソン・ムナンガグワ大統領(ジェトロ撮影)

フォーラムの後半では、日本の観光庁とジンバブエ観光・ホスピタリティー産業省の間で覚書(MoU)署名が披露された外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますほか、日本のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)はジンバブエの鉱山・鉱業開発省と、トヨタコネクティッド、ペガラジャパンは産業・商業省とそれぞれMoUに署名した。フォーラム終了後はB2Bミーティングが開催され、日・ジンバブエ間で積極的に交流が図られた。

写真 B2Bミーティングの様子(ジェトロ撮影)

B2Bミーティングの様子(ジェトロ撮影)

(坂根咲花、中村周)

(ジンバブエ、日本)

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