イスラエル、イエメンのフーシ派拠点を空爆
(イスラエル、イエメン、イラン、日本、中東)
テルアビブ発
2025年07月08日
イスラエル国防軍(IDF)は7月6日深夜から7日未明にかけて、イエメンにおけるフーシ派の拠点に対して大規模な空爆「ブラック・フラッグ作戦」を実施した。IDFによると、約20機の戦闘機が出動し、50発以上の精密誘導兵器を用いて、港湾施設や商船、発電所などを標的にしたという。
攻撃対象となったのは、ホデイダ港、ラス・イサ港、アス・サリフ港の3つの港湾で、IDFによると、これらの港がイランから供給される武器の輸送拠点としてフーシ派に利用されていたと主張している。
また、IDFは、2023年11月にフーシ派によって拿捕(だほ)された自動車専用船「ギャラクシー・リーダー」(2023年11月20日記事参照)に対する攻撃を実施したとしている。IDFによると、フーシ派は、この船にレーダーシステムを設置し、国際海域を航行する船舶の追跡に利用し、フーシ派の活動を推進していたという。
さらに、ラス・カンティブ発電所も攻撃対象となった。この発電所は、フーシ派が軍事活動のための重要な電力供給基盤として利用していたという。
IDFによると、今回の空爆は、フーシ派によるイスラエルへの無人機や地対地ミサイルの継続的な発射に対する報復と説明している。
米国のNGO組織「ACLED」の統計によると、2023年10月19日から2025年6月27日までのフーシ派による紅海の船舶やイスラエル領土への攻撃は346件に達している。これらの攻撃は、紅海やアデン湾を航行する商船に深刻な影響を与えており、IMFと英国のオックスフォード大学が共同で開発した船舶自動認識装置(AIS)情報を基に船舶データを提供する「ポートウオッチ
」によると、国際物流の要衝であるバブ・エル・マンデブ海峡を通過する船舶数は、2025年7月6日時点の7日間移動平均(6月30日から7月6日までの平均)で28隻にまで減少している。
関連情報は、ジェトロのイスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエルとイラン情勢の特集を参照。
(中溝丘、テヒラ・シャラビー)
(イスラエル、イエメン、イラン、日本、中東)
ビジネス短信 99cdbcfb5745455a