南米最大級のアニメフェスティバル「Anime Friends 2025」開催
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年07月08日
南米最大級のアニメフェスティバル「Anime Friends 2025」が7月3~6日、ブラジル最大の都市サンパウロ市で開催された。当イベントは2003年に創設され、アニソンアーティストの公演、ファンとのサイン会、アニメ関連事業者の出展、アニメ関連グッズの販売、コスプレイベントなどが行われる。日本アニメ(以下、アニメ)に注目が集まるブラジル(注1)において2011年以降サンパウロ市の年間公式行事の1つに数えられている。主催者の発表によると、2025年は約15万人が来場した。
(左)盛況なイベント会場の様子、(右)会場で販売されたマンガ(ともにジェトロ撮影)
サンパウロ市内では他にもアニメ関連イベントとして、南米最大級のコンテンツ展「CCXP」(注2)も毎年開催されているが、CCXPではアメリカンコミック関連の展示が見られる一方、Anime Friendsはよりアニメファンに焦点を当てている。会場には、日本アニメ専門動画配信サービスである米国のクランチロールが大型ブースを設け、アニメクイズイベントを実施し、クイズに参加するファンで長蛇の列ができた。なお、2024年12月時点で、クランチロールの国・地域別契約者数でブラジルは第2位に位置している。
日本マンガ(以後マンガ)を出版しているブラジルの出版社、JBC出版、NewPop出版、パニーニ・ブラジルの3社も出展し、来場者に幅広いタイトルのマンガを販売した。ブラジルのアパレルブランドのPiticasは、アニメキャラクターの公式Tシャツの販売を行い、ブースでは「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「葬送のフリーレン」「チェンソーマン」「NARUTO-ナルト-疾風伝」「ONE PIECE」などのタイトルのTシャツが販売された。価格は、1枚50レアル(約1,300円、1レアル=約26円)、3枚セット100レアルで販売され、ファンの注目を集めていた。ブラジルにおける従来のアニメ関連イベントでは非正規品が販売されることが多々あったが、本イベントでは会場の目立つ場所で正規のアニメ関連グッズが販売されており、ブラジルにおける正規品の広がりが確認できた。
(左)Piticasのブースで販売されたアニメキャラクターの公式Tシャツ、(右)盛況を博すクランチロールのブース(ともにジェトロ撮影)
イベントのメインステージでは、「ASH DA HERO」「FLOW」「Scandal」など、ブラジルで人気を博すアニメのテーマ曲を担当した多数の日本の音楽アーティストがライブを行い、ファンを熱狂させた。
(注1)マンガの市場規模を含む、ブラジルでの日本アニメ関連サービス・商品の人気についての詳細は、調査レポート『アニメ関連サービス・商品に関するブラジル市場レポート(2025年3月)』を参照。
(注2)CCXPについての詳細は2024年12月17日記事を参照。
(伊藤優一)
(ブラジル)
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