大阪・関西万博を機に、マルタの経済ミッション団が来日、大阪でセミナー・交流会を開催
(日本、マルタ)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年07月17日
マルタ(注)企業の海外展開支援を行う、同国の貿易促進機関トレードマルタは7月16日、大阪・関西万博における同国ナショナルデーの開催に伴うミッション団の訪日に合わせ、大阪商工会議所と共催で同国に関するセミナー・交流会を大阪市内で開催した。トレードマルタの会長があいさつしたほか、教育・訓練、医療、観光などの分野の10の企業・団体の紹介があった。
トレードマルタのデビット・マトレンザ会長はあいさつの中で、過去と現在のマルタと日本の関係について言及した。両国の経済関係で象徴的なのはダイキン工業が半世紀以上前に、初の海外拠点をマルタに設置したことだと指摘。現在、150カ国以上にビジネス展開している日本のグローバル企業の最初の海外拠点がマルタだったことは、両国が信頼とビジョンを共有している証しだと述べた。
近年の両国ビジネス関係については、マルタが輸出しているクロマグロが日本の伝統的かつ高付加価値の食文化に貢献できている点はうれしいことだとし、さらに、マルタにおける文化遺産の存在や地中海の気候、ホスピタリティーの高さから、近年、日本からの観光客が増加している、と語った。特に英語の学習地として高い人気を誇り、若者のみならず、社会人や生涯学習者がマルタを訪れ、英語スキルの向上を目指している。教育分野での交流・協力に一層注力し、今後は経営者研修、デジタルトランスフォーメーションなどの分野も充実させていきたいと述べた。
一方、マルタはEU加盟国で、欧州とアフリカにアクセスが容易な場所に位置しているため、これら市場へのゲートウエーとして日本企業に独自の優位性を提供できると呼びかけた。
スピーチするトレードマルタのマトレンザ会長(ジェトロ撮影)
大阪商工会議所の近藤博宣常務理事・事務局長は、日本とマルタは今年(2025年)が外交樹立60周年に当たり、日本にとってマルタは魚介類の重要な供給元であるだけでなく、多くの日本人の留学先でもあり、さらに、フィンテックやブロックチェーン、人工知能(AI)分野などの先端技術の産業育成に注力している大阪にとって、マルタは重要なパートナーだと述べた。
なお、セミナー終了後に参加者による交流会が開催された。
交流会の様子(ジェトロ撮影)
(注)地中海中央部の複数の島からなる島国で、イタリアのシチリア島の南に位置する。
(齋藤寛)
(日本、マルタ)
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