第2四半期のCPI上昇率は前年同期比で2.7%へ上昇も、目標圏内を維持

(ニュージーランド)

シドニー発

2025年07月30日

ニュージーランド統計局は7月21日、2025年第2四半期(4~6月)の消費者物価指数(CPI)上昇率が前期比0.5%と発表した。前期(2025年4月25日記事参照)から0.4ポイント低下した。前年同期比では2.7%で、前期から0.2ポイント上昇したものの、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)の目標圏内(1~3%)に4四半期連続で収まった。

項目別にみると、文化サービスが前期比9.5%増と、上昇への寄与度が最も大きかった。TVストリーミングサービスへの加入増加によるものとみられる。また、電気料金も4.9%増と大きく上昇した。統計局の広報担当二コラ・グローデン氏は「電気料金の前期比での上昇率は10年間で最も高かった」と述べた。そのほか、野菜(前期比10.0%増)も上昇した。一方、ガソリン(4.8%減)と国内宿泊サービス(9.2%減)は低下した。特にガソリン価格の下落は全体の上昇率を相殺し、ガソリン価格を除くCPI上昇率は前期比0.7%だった。なお、前年同期比でみると、地方税などの支払い(前年同期比12.2%増)の寄与度が最も大きかったほか、家賃(3.2%増、注)も上昇に寄与した。

なお、ニュージーランド準備銀行は7月9日、2024年8月以降6会合連続で引き下げた政策金利(オフィシャル・キャッシュレート:OCR)を、3.25%に据え置くと発表した。基調的なインフレを反映するトリム平均値(前年同期比)は、2025年第2四半期、第3四半期に目標圏内(1~3%)の上限に近づき、2026年初めには目標圏内の中間値に回復すると予想していた。また、CPI上昇率は市場予測を下回り、次回会合の2025年8月での政策金利の利下げを予測している。

(注)家賃はCPIウエートが高い(2024年第4四半期時点で11.21%)のため、全体に大きな影響を与える。

(山崎美樹)

(ニュージーランド)

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