アフリカ最大級のヘルスケア展示会がカイロで開催、現地政府は日本企業に期待

(エジプト、日本)

カイロ発

2025年07月09日

エジプト・カイロで6月25~27日、アフリカ最大級のヘルスケア分野展示会・カンファレンス「Africa Health ExCon外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。6月24日に開催された開会式には、ハリッド・アブデル・ガファル副首相兼人材開発・保健・人口相のほか、展示会主催者である統一調達機関(UPA、注)長官、医薬品庁長官ら関係閣僚が参加した。また、今回から展示会を共催するアフリカ連合(AU)傘下の保健機関のアフリカ疾病予防管理センター(Africa Centres for Disease Control and Prevention:Africa CDC)からは、ジャン・カセヤ事務局長が参加した。

UPA長官のヒシャーム・スティート氏は開会式のスピーチで、外資企業によるエジプトでの現地生産の事例としてジェイ・エム・エスによる血液バッグ製造開始(2025年5月14日記事参照)に言及した。日本企業が高度な技術やノウハウを取り入れた高品質な製品をエジプトで生産することで、エジプトがヘルスケア分野の製造・物流拠点として発展するとして同社に謝意を表するとともに、日本をはじめ高度な技術を持つ外資企業のさらなる進出への期待を表明した。

写真 開会式の様子(ジェトロ撮影)

開会式の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロは本展示会に4回目となるジャパンパビリオンを出展し、9社の日本企業が代理店候補や顧客候補との商談を行った。出展企業からは「エジプト市場の有力プレーヤーと出会うことができる良い機会だった」「中東・アフリカ市場における自社製品への反応を感じられた」「市場規模や自社製品のプレゼンスを把握できた」などの声が聞かれた。スティート氏は6月25日にジャパンパビリオンに来訪し、日本企業の出展に謝意を表するとともに、日本の製品・技術がエジプトで普及することに期待感を示した。ジャパンパビリオン外では、ジェイ・エム・エスが参画する現地合弁会社や、富士フイルム、シスメックス、武田薬品工業が大型ブースを出展した。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

(注)UPA(United Procurement Authority)は、エジプトで公共病院の医療機器などの調達を一括して行う保健省傘下の政府機関。

(塩川裕子)

(エジプト、日本)

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