コートジボワールで大手銀行などが太陽光発電事業の新たなパートナーシップ締結

(コートジボワール)

アビジャン発

2025年07月24日

コートジボワールの大手銀行NSIAバンク・コートジボワールと、豊田通商の完全子会社のCFAOグループで再生可能エネルギー事業などを手掛けるCFAOインフラストラクチャーは6月25日、商工業者向け太陽光発電事業に関する戦略的パートナーシップを締結した。このパートナーシップでは、NSIAバンク・コートジボワールが自家消費用の太陽光発電設置(国の電力網への売電は行わず)のための融資を行い、CFAOインフラストラクチャーが太陽光発電システムのF/S調査と、設計、設置、設置後の保守点検、エネルギー効率パフォーマンスレポートの作成支援などの技術的なサポートを提供する(7月5日付「Framat.info」)。  NSIAバンク・コートジボワールのジェーン・フランソワ・オフェットCSR部長によると、同社はこのパートナーシップのために65億CFAフラン(約17億円、1CFAフラン=約0.26円)の融資枠を用意しており、顧客の電力コスト削減と競争力強化を目指している(6月25日付「The Age Review」)。

現地の各社報道によると、 NSIAバンク・コートジボワールのマセットゥ・トラオレ執行役補佐は「このパートナーシップは戦略的かつ実務的で、意義のある取り組みだ。顧客のエネルギー効率の最適化を支援するとともに、気候変動への積極的な取り組みとして、当社のCSRコミットメントにも一致する」と述べた。一方、CFAOインフラストラクチャーのフィリップ・ミケル社長は「このパートナーシップは、コートジボワールの商工業事業者にとって、グリーンエナジー促進とエネルギー効率化を可能にするもので、エネルギートランジッションを身近なものにすることを目指すもの」との見解を示した。

NSIAバンク・コートジボワールは、アフリカの12カ国で活動するNSIAグループに属している。NSIAグループは西アフリカでは、コートジボワール、ベナン、ギニアに銀行本店、セネガルとトーゴに支店を有し、近年、低炭素経済への移行のための責任ある金融サービスを拡大している。

また、このパートナーシップは、エネルギートランジションを推進するコートジボワール政府の政策とも一致している。政府は2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を30.41%削減し、再生可能エネルギーの比率を42%に増やすことを目指している。

(長屋幸一郎、橘欣子)

(コートジボワール)

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