沖縄が「未来型ブルーエコノミー拠点」目指し始動、コザロックス2025開催
(日本)
沖縄発
2025年07月23日
沖縄県内最大級のスタートアップカンファレンス「コザロックス2025」(注1)が7月11~12日、沖縄市コザ地区で開催された。スタートアップ支援施設「コザスタートアップ商店街
」や音楽施設「ミュージックタウン音市場」などが中心会場となった。
5回目の開催となった今回は、「変わらないために、変わり続ける」をテーマに、サステナビリティーを軸としたパネルトークやスタートアップピッチ、商品展示・販売、ネットワーキング、音楽ライブなどが行われた。これらイベントでは、気候変動や安全保障など沖縄にも直結するグローバル課題や、地域振興といった重点課題が取り上げられた。
イベントには、県外やアジア各国・地域からの参加者も含め、2日間で延べ5,000人以上が来場した。
「おきなわスタートアップ・エコシステム」の目指す方向性
沖縄県は6月、内閣府から「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」に選定された。これに合わせ、イベントの冒頭では、内閣府や沖縄県、ジェトロによるオープニングセッションが行われた。沖縄県商工労働部長の知念百代氏は「沖縄は、強みであるアジア地域との近接性、島しょ地域の課題解決を通じたグローバルな成長性を生かし、日本とアジアをつなぎ、グローバルイノベーションを起こす未来型ブルーエコノミー拠点都市(注2)を目指す」と述べ、重点分野として、観光、ヘルスケア、エネルギー、サーキュラーエコノミーの4分野を挙げた。
ピッチイベントには、上記4分野で沖縄をハブにグローバル展開を図る国内外のスタートアップが登壇した。多言語対応の医療機関支援サービスを展開するAmbii(茨城県つくば市)や、バス・船など公共交通機関の運行管理システムや利用者向けアプリを手掛けるViaBus
(タイ)などがピッチを行った。
イベント2日目には、沖縄のスタートアップ・エコシステムの国際化に焦点を当てたプログラムが実施された。Japan Southeast Asia Innovation Platform(JSIP)、ゼロワンブースター
、Startup Island TAIWAN
、ジェトロが登壇したパネルセッションでは、シンガポール、台湾、韓国での国際的なエコシステム構築の先進事例が紹介された。その中で、 JSIPの中村貴樹最高経営責任者(CEO)は「起業支援を含む公共サービスの英語化・デジタル化」や「産業別のクラスター形成」「グローバルインキュベーター‧アクセラレーターの呼び込み」が進むシンガポールの取り組みを解説した。沖縄が今後、国際的なエコシステムを構築し、グローバルに挑戦する起業家を育てるためのポイントを示した。
ピッチセッションの様子(主催者提供)
会場となったコザスタートアップ商店街(ジェトロ撮影)
ジェトロもJ-StarX・琉球Frogsを周知するサイドイベントを実施。J-StarX・琉球Frogsは海外派遣を含み、沖縄の在住の学生を対象とした次世代リーダー育成プログラム(ジェトロ撮影)
「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」選定を受けたオープニングセッション(主催者提供)
(日本)
ビジネス短信 8e463000313a63a0